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              立夏を過ぎて、色濃くなってきた新緑        マウスを載せれば写真が変わります

 相変わらず、気温のアップダウンが激しい日が続いています。最高気温が、前日と3〜4度違うなどいうのにも、少し慣れました。
 今日の天気予報では、最高気温が27度まで上がるということでしたが、ハズレ! 日が差さず、曇りがちで、24度止まりでした。
 今月2日には、最高気温が30.9度まで上昇。車はエアコンを入れずにはいられませんでした。かと思うと、朝夕がヒンヤリで、何か1枚余計に着ないと寒いという日もありました。立夏も過ぎ、そろそろ気温も安定して欲しいものです。
 境内の緑は、色の移り変わりが落ち着き、初夏らしい色になりました。桜の花に始まって、新緑の芽吹き、そして芽吹いた緑の色がどんどん変わっていく。そんな変化の大きい1ヶ月を楽しませてもらいました。
 連休も終わって、境内を訪れる人も減り、真如堂らしい静かな空間と時間が戻ってきました。




     新   緑   の   香   に   新   緑   の   風   を   待   つ         稲畑汀子






           吉祥院の大つつじ / 甘〜い香りの唐種招魂      マウスを載せれば写真が変わります
 境内に咲く花の数は、一時と比べて少し減りました。
 そんな中、自坊の門前の大きな遅咲きの平戸つつじが、今は盛りです。
 日の光が好きなつつじのこと、よく日が当たる場所と当たらない場所では、花付きがまるで違います。木の天辺のほうはビッシリと花が付いていますが、側面になると減り、下の方はわずかに咲いているだけです。すぐ近くから見るよりも、少し離れたところから眺めたほうが、このつつじは見ごたえがあります。
 この大つつじの裏側に咲いているのは、唐種招魂(からたねおがたま) です。
 神社などに植えられ神事にも使われる木ですが、30年ほど前、ご近所の方から、「大きくなったら育てられないので、もらってください」と、小さな鉢植えを譲り受けたものが、今では4メートルほどにもなりました。日当たりのあまりよくない場所に植えたので、こんなに大きくなるとは思ってもいませんでした。
 日によっては、50メートルほど離れた場所にいても、この花の香りが嗅ぎ分けられます。熟したバナナのような、実に甘〜い香りです。
 通りがかりの人も、「この香りは何かしら?」などと不思議がっておられますが、参道からは少し離れ、またごく地味な花なので、その香りの‘源'を探り当てることはまず不可能。知る人ぞ知る、自坊の‘秘密の木'なのです。

           これから白くなっていく山法師の花 / 谷うつぎ     マウスを載せると写真が変わります
 ‘自坊シリーズ'のようですが、大つつじの前に咲き始めたのは、山法師。これはどこかで苗を求めて植えたものだと思います。
 比叡山の僧が、法衣の一つである‘帽子'を付けた姿に似ているというのが、名前の由来です。その‘帽子'も、咲き始めは、まだ小さく、色も少し黄緑がかっています。
 美しくなるのはこれからですが、花水木のような派手さはありません。自坊を出入りする時に、これからの移ろいを見るのが楽しみです。
 自坊の庭の中には、谷うつぎが咲いて来ました。
 低山を歩く時、美しく咲いていたこの花に魅せられて、何とか苗が欲しいと思っていましたが、10年ほど前、河原町丸太町の道路の生垣にこの花を見つけ、夜陰に乗じて一枝拝借して挿し木したのが、今は大きくなりました。その木を元に挿し木した苗が、境内にも数本植わっていて、幼木ながら花を咲かせています。
 こうして考えると、どれだけ多種多株の草木を植えてきたことでしょう。それが大きくなって、花を咲かせてくれているのは、何とも冥利に尽きます。皆さんにも、ぜひ見ていただきたいです。




     行  く  道  も  気  づ  け  ば  い  つ  か  帰  り  道          高野喜久雄





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