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写真をご覧になって、「わぁー、もうこんなに咲いているの!?」と驚かれた方もおられるでしょう。ご安心ください。赤門前のこの桜は染井吉野ではありません。種類はわかりませんが、染井吉野よりも少し小振りで白い花を咲かせます。境内一、早咲きの桜です。
一番開花が進んでいるのは、北参道から上がって来たところにある桜です(裏写真)。でも、その横には、晩熟の八重の紅梅がまだ咲いているので、「わぁー、桃と桜だ!」とか、皆さん、仰ることが結構でたらめ。今のところは、もうほぼ終わりの紅梅のほうが人気があって、写真をお撮りになるのはそっちのほうです。 例年は境内一早いくらいの本堂前の染井吉野は、まだほんのわずかに咲いているだけ。基本的には‘クローン'の染井吉野ですから、今年は例年とは違う環境の変化がこの桜の開花を遅らせているとしか思えません。
ちょうど7分咲程度でしょうか。これ以上開いてしまうと、色が白くなってしまいますが、今はまだ蕾も残っていて、少しピンク色に見えます。でも、その愛らしいピンク色がなかなか写真に撮れません。実物は、もっと綺麗なのですよ。 もう一つ残念なのは、ちょうど桜の枝が垂れているところに、避雷針のケーブルが通っていることです。30年ほど前に施工した時には、そこまで考えなかったのでしょうね。 この桜は10年ほど前に、樹勢が弱っていました。それから土壌改良や施肥などを重ねて、ようやく元気になりました。新しい枝も伸びて、これからはもっと枝張りがよくなってくれるのを期待しています。 そんないろいろな思いを抱きながら見る桜の花は、また格別です。
春日局のお手植えと伝わりますから、樹齢は350年ほど。台風で折れた幹から延びたひこばえが大きく育って、今に至っています。 この桜も、枝垂れ桜同様に、10年ほどから樹勢が弱り、新しい枝が伸びても枯れてしまうということが続きました。 同じく、土壌改良や施肥を重ね、南側の大きな椎の木を剪定して日当たりを改善した結果、去年あたりからまた樹勢を取り戻してきました。 「ひょっとしたら、このまま枯れてしまうのでは・・・」と思って、日本製紙に後継木の育成をお願いし、特別な栽培方法でまったく同じ遺伝子を持つ‘子'を作っていただきました。いま、その木は本堂裏の慰霊塔の前など、境内数ヶ所に植えられていますが、不思議なことに、後継木をが出来た頃から、‘本体'ががぜん樹勢を回復してきました。「きっと、話を聞いていたのですえねぇ」と、お世話になった方とも話をしています。 今日はまだ4分咲程度。見頃はまだこれからです。 いま見頃なのは、赤門前の桜、三重塔脇の枝垂れ桜。来週半ばに満開になりそうなのが、縦皮桜。染井吉野は、次の土日頃に満開になるでしょう。 まだまだ、これから楽しんでいただけますよ! ま さ を な る 空 よ り し だ れ ざ く ら か な 富安風生
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