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                     人も動き出す啓蟄の日         マウスを載せれば写真が変わります

 温かかったり、また寒さが戻って来たりを繰り返しながら、次第に春めいてきました。
 今日は啓蟄。最高気温は21.4度で、少し動くと汗ばむほどでした。昨日も19.7度でしたが、その前の3日間の朝には氷が張っていました。
 朝明けるのが早くなり、日の暮れも遅くなりました。日の光も春色です。
 冬の間、ほとんど動きのなかった境内ですが、今は毎日、何かが変化しています。咲く花の数が増えていたり、新しい芽が大きくなったりと、境内を一巡りするのが楽しくなってきます。そしてそれは、しばらくの間、続きます。
 この変化は、‘一見さん’にはわからないことです。季節の移ろいを肌で感じることができるのは、ウキウキうれしいことですね。
 さぁ、明日はどんな発見があるでしょう!?




      啓   蟄   の   雲   に   し   た   が   ふ   一   日   か   な        加藤楸邨






      ありがたく、美しい涅槃図 / 127種の動物がそれぞれに悲しむ   マウスを載せれば写真が変わります
 本堂では、涅槃図の特別公開が始まりました。この行事も、「あー、春が来たなぁ」と思わせてくれる出来事です。
 1、2月は、境内を訪れる人もまばら。日によっては、拝観者ゼロという日もあり、職員の間では「誰かと誰かが本堂を担当した時にゼロになることが多い」などというジンクスも生まれています。
 3月になって涅槃図が公開されると、その事情は一変。昨日も今日も80人ほどが拝観されました。
 ひっそり静かなのもいいですが、そこそこ人が来てくださって、賑やかなのもいいですねぇ。それに、綺麗な涅槃図を吊すことで、本堂の中がパァーッと明るくなります。
 ただ、公開が始まったばかりで、職員さんもまだ説明に慣れていないので、「えーっと、ちょっと待ってください」と、‘横板に鳥もち’状態でした。
 去年の公開と違うのは、涅槃図が吊してある奥の、大きな釈迦三尊図像もご覧になれることです。この2つの絵は、同じ作者によるもの。共に、美しく、迫力のある、有り難い作品です。

          別名「春黄金」。春だなぁ〜 / 静かに満開の馬酔木     マウスを載せると写真が変わります
 山茱萸も馬酔木も、木によっては見頃です。「木によっては」と但し書きをするのは、共にまだ蕾の状態の木のほうが多いからです。染井吉野のような‘クローン’は、咲く時期も一斉ですが、そうではない木はこんなに個体差があるものなのだと、改めて知らされます。
 山茱萸も馬酔木の開花は、今年も雑誌や新聞などに掲載されていますが、わざわざ見に来られる方はそれほどおられません。一早く、春を感じさせてくれる花ですのに・・・。
 涅槃図を御参拝いただき、山茱萸も馬酔木、そして椿を愛でていただくのが、今の真如堂拝観のフルコースです。




       山  茱  萸  の  花  の  こ  ぞ  り  て  黄  を  凝  ら  す         塩川雄三





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