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       空は青いけれど石畳は冷たかろ / 苔の緑も有り難い季節   マウスを載せれば写真が変わります

 細かい雪が時折降る、寒い日でした。少し青空が見えていると安心していたら、白いものが空から落ちてきます。まるで、青空と雪雲がせめぎ合いをして、コロコロと空模様が変わっているかのようでした。
 陽が差し、青空が見えるとうれしいですねぇ。
 日が暮れるのが遅くなり、朝は早く明るくなるように変わってきました。立春を過ぎて、わずかながらずつでも、春に向かっているのを実感します。
 境内はシーンと静まりかえっています。そんな境内から、あの紅葉期の喧噪を想像できる人はおられないでしょう。散歩、ウォーキング、犬の散歩、バードウォッチングなど、皆さん、思い思いの時間を過ごしておられます。




    手  を  振  れ  ば  手  を  振  る  人  の  ゐ  て  立  春         佐怒賀直美






     日の良く当たるようになった露仏 / 墓地からも本堂がよく見えるように マウスを載せれば写真が変わります
 1週間ほど掛けて、植木屋さんが寒い時期ならではの作業をしてくれました。
 穴を掘って、そこに寒肥や土壌改良材を入れたり、冬越しを企てる虫を退治するために薬散をしたり、また枯れ込んでいる枝などの除去の作業などが順次行われました。
 生きている桜の枝を剪定するのは、今が好期です。景観的な理由、将来の枯れ込みなどを考えて、剪定します。もみじも、芽吹きや今夏を越すことが期待できないものは、根元から伐採します。そして、そこにまた新しい株を植えます。
 また、日陰を作る木々も、相当な量を段下げ剪定をしました。日当たりの良さも、紅葉には重要な要素です。
 そんな作業をしているということに気が付く人はごくわずかですが、そういう地味な作業の積み重ねが綺麗な紅葉を生み出してくれるのです。


             伸び悩む苔の胞子体 / 花数の減った水仙     マウスを載せると写真が変わります
 今年は、不順な天候のために、花の咲く時期などが例年とは違っていることは、先にお知らせした通りです。
 この先1週間の気温の予想を見ても、最低温度が−2度という日もあれば9度という日もあります。最高気温も9度から18度と乱高下。それが春の兆しなのかも知れませんが、人間にはいささか酷です。
 植物も、せっかく出した新芽を寒さに叩かれたり、早目に咲かせた花が低温度で色が変わってしまったりと、結構ひどい目に遭っています。でも、すべてがダメージを受けるかというとそうではありません。植物の中にも、‘斥候部隊'や‘本体'があって、様子を見ながら芽出しや開花の時期を探っているような気もします。
 そんなことを考えながら、草木の有り様を眺めるのも、またとても楽しいことです。




       水  に  落  ち  し  椿  の  氷  る  余  寒  か  な             高井几董





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