12/25版 




              時雨れた後の青空 / ませた語りの3人連れ    マウスを載せれば写真が変わります

 晴れているかと思ったら、空が暗くなって時雨れてきたり、また青空が広がったりと、いかにも冬の京都らしい空模様でした。こんな空模様の時には、虹が架かることが多いのですが、今日は見られませんでした。
 「いかにも冬らしい」と書きましたが、最高気温は13度。昨日は16度を超え、最低気温は昨日・今日共に9度台と、気温は11月中旬〜12月上旬並みです。気温の乱高下が続いて、風邪を引いてる人も多いようです。
 晴れている隙を狙って境内へ。青空に、濡れた地面や木々がしっとり美しく見えて、とても綺麗です。しかも、人影はほとんどないので、静かで落ち着いた境内を堪能できます。
 黒谷のほうからやってきた小学生らしい男の子3人連れが、「これは桜の木やなぁ。真如堂はいつ来ても綺麗やなぁ」などと、少々年寄り臭いような口調で話ながら、境内を通り抜けていきました。




       雲  な  き  に  時  雨  を  落  と  す  空  が  好  き          高浜虚子






          「花の木」のでっかい枝 / 木それぞれの性を見たり    マウスを載せれば写真が変わります
 葉っぱを落とした冬木立が、束の間の青空に向かって凜と延びていました。冬は、木の‘性'がよくわかる季節。‘樹木ウォッチング'には、もってこいです。
 樹種が違えば、当然、枝振りも違いますが、同じもみじでも、真っ直ぐに枝を伸ばす木もあれば、水墨画に描かれる梅の木のように、カクカクと枝を曲げる木もあります。そういう景色を見ていると、殺風景に思える冬でも、決して飽きることはありません。
 葉を落とした木が裸で勝負しているとすれば、こちらも少ない‘データ'から出来るだけ多くのことを見きわめてやろうと、真剣勝負です。冬には、普段の季節には味わえない楽しみがあるのです。
 ただ、ちょっとマニアックなので、このページの更新には苦労しますし、概ね‘小ネタ'が多くなってしまいます。苦労せずとも、皆さんが「わぁー!」と言ってくださる写真を撮りやすい紅葉期よりも、‘産みの苦しみ'のある冬の更新のほうが深みがあるかなぁ〜とも思います・・・深み、あるかなぁ?

               残り物に‘美'あり / 重たそうな八重の椿      マウスを載せると写真が変わります
 圧倒的な紅葉も綺麗ですが、こんな侘び寂のある紅葉もきれいだと思われませんか?
 本堂裏の万霊堂の前のこのもみじの木は、いつも一番最後に紅葉します。今年も12月中旬頃から色付き、今日になってもまだわずかに葉を残していて、光が当たるととても綺麗な色を見せてくれます。
 境内の落ち葉掃除もほぼ一段落。せっかく掃除をした後から、またヒラヒラと葉を散らされるのは困るのですが、それもまた風情ですね。
 今年は異様なあたたかさ故か、ずいぶん早くいろいろな椿の花が咲いていて、境内をグルッと1周するだけで、10種類ぐらいの花を見ることができます。境内がモノトーンに近くなっていく中に咲いている紅い椿は、ちょっとずるい気もしますが、かなり魅力的です。
 鐘楼の周りなどでは、水仙もよく咲いています。球根を植えてから3度目の花期を迎え、年々花の数も多くなってきました。これからが楽しみです。
 何もないように思える冬の境内ですが、探検するようなつもりで歩いていただくと、きっと思ってもいなかったような収穫がありますよ!

 来る年が皆様にとって幸多き年となるように祈念して、今年の最後の更新とさせていただきます。




       数  へ  日  や  メ  モ  一  つ  消  し  二  つ  足  し          大橋敦子





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