12/11版 




           嵐の後の正面参道 / 真ん中だけ道を開け       マウスを載せれば写真が変わります

 前線を伴った低気圧が発達しながら通過した影響で、日本列島はあちこちで大荒れのお天気になり、各地で大雨や強風となりました。また、南から暖かい湿った空気が低気圧に吹き込んで気温が上昇。三重県などで25度以上の夏日となったとか。
 京都も夕べから次第に風雨が強まって、ちょっとした嵐。昨日からの雨量は60ミリを超え、最大瞬間風速15メートルを記録しました。
 朝、外に出ると、空気が生ぬるく、ガラス戸は外側に結露していました。最高気温が午前10時の18.9度。夕方になるにつれて、気温は下がっていきました。
 この風雨で、境内の様子は一変しました。昨日までは、残り紅葉がまだ充分楽しめましたが、それらが一気に散って、境内は冬景色に近付きました。参道は落ち葉だらけで、溝などが落ち葉で詰まったりしました。
 少し劇的な紅葉の終焉でした。




     散   り   敷   け   る   紅   葉   に   風   の   声   残   る          狹川青史






      紅葉の間から空が見えるようになってきました / 人通りも少ない境内 マウスを載せれば写真が変わります
 最後の最後に美しくなった自坊前の背の高いもみじも、今朝は多くの葉を落としていました。
 「降り積もる」という表現が相応しいほど、幾重にも落ち葉が散り積もっています。その落ち葉も、今朝は雨に濡れてみずみずしく、色も綺麗に見えました。
 滑って転ぶ人があるといけないので、急いで石畳の上の落ち葉を取り除きましたが、強い風にまたたくさんの葉が散って、掃除をした‘証拠'もなくなってしまいました。
 時折、日が差すことがありましたが、その時の残り紅葉の美しいこと! 圧倒的な紅葉と違う侘びた美しさが、心に染み入るようでした。
 人の少なくなった境内、これからは‘ハッとする瞬間'を逃さないようにカメラをたすき掛けに常持しつつ、ブロアで落ち葉掃除をする日が続きます。
 真如堂らしい静けさが、ようやく戻って来ます。

            濡れて美しい敷き紅葉 / 本堂の南側が冬景色     マウスを載せると写真が変わります
 境内は、場所によってはもう冬景色です。
 これから残っている紅い葉も落ち、そして地面を覆っている落ち葉掃除が進むと、境内からどんどん‘色'が消えていきます。
 時間が止まったような冬の景色。騒がしかった紅葉の頃とはまるで別世界の静寂の空間。そんな時が訪れるのも、もうすぐです。
 今年の紅葉は、色合いも悪く、葉っぱもカサカサ乾燥したり枯れていたりして、11月にお越しになった方は素晴らしい景色をあまりご覧にはなれませんでした。紅葉が美しくなったのは12月の2週目頃から。最後の最後に美しい色を見せてくれて、あっという間に夕べからの嵐で終わっていこうとしています。
 冬の間、もみじの木にはゆっくり休んで、また来春の芽吹きの力を蓄えて欲しいものです。1年間、ご苦労さま・・・。




     一   枚   の   紅   葉   且   つ   散   る   静   か   さ   よ          高浜虚子





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