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   どこまで綺麗になってくれるでしょう? / 晴れれば最高に綺麗な場所  マウスを載せれば写真が変わります

 夕方から雨になりました。朝からずっと曇天で、夕方からは雨が降り出しても、それほど寒くはありませんでした。
 「だから、あかんのや!」と、天気に文句を言いたい気持ちでいっぱいです。
 今年の紅葉の悪さといったら、前代未聞とでも言いたいほどです。境内は早々と落ち葉だらけ。梢に残っている葉っぱも、茶色く縮れていたり、赤黒く‘紅葉’していたりで、見る度にため息ばかりです。
 紅葉は、最低気温が8度ほどになると始まると言われますが、今年はそれほど冷え込んだ日がありません。それなのに、早々と‘紅葉’して、どんどん落葉しているのはなぜでしょう? 8月の日照不足の上に、10月の少雨の大打撃が原因です。例年よりも10日以上早く‘紅葉’して、しかも色が悪く、葉も乾燥して縮れているのです。
 始めてご覧になる方なら、「こんなものなのかなぁ」という感じでしょうが、半世紀以上、紅葉を見てきたボクにとっては、今年の紅葉には落胆させられっぱなしです。晴天ならまだしも、曇天では色もまるで冴えません。不本意な紅葉をお伝えするこの辛さ・・・今日は写真を撮りたくなかったです。


      すっかり冬木立と化した花の木 / 花の木ともみじ     マウスを載せれば写真が変わります
 「花の木」は、ほとんど葉を落としました。境内で一番早く紅葉する木なので仕方ないのですが、それにしても早過ぎました。もうすっかり冬木立です。
 もみじも、本堂前はもう盛り。正面の参道は赤黒くなってきた感じで、本堂裏はまだ緑がちです。でも、色が変わっている葉をよく見ると、茶色っぽかったり、葉先が枯れたり縮れていたりで、本来の紅葉ではないことがわかります。
 明後日は、お十夜の結願法要。「錦秋の境内を、稚児や朱や紫の僧衣をまとった僧衆が練り歩く」と言いたいところですが、「落ち葉舞う境内を・・・」という描写になってしまいそうです。
 最近頓に物忘れの著しいボクですが、こんなに紅葉のよくない年は記憶にありません。まぁ、そんな年もありますね。また来年に期待しましょう!




     掃   く   手   止   め   落   葉   し   ぐ   れ   を   仰   ぎ   け   り          稲畑汀子





          正面参道の野路菊 / 書院の庭の菊渓菊      マウスを載せると写真が変わります
 境内の其処彼処で咲いている野路菊が、とても綺麗です。花屋で売っているような‘杓子定規’で‘直立不動’の姿ではなく、曲がりくねったり、あらぬ方向を向いたりしてはいますが、野趣に溢れて、研ぎ澄まされて凜としている感じが、何ともいいものです。
 でも、盗られたり、折られたりすることもしばし。先日も、着物を着た70才ほどの女性が、根っこの付いた野路菊をカバンに入れる現場を見つけ、奪還しました。
 野路菊も貴重なのですが、‘希少’という点からいうと「菊渓菊」。京都・東山の菊渓に自生していたという菊で、準絶滅危惧。外来種との混雑が問題視されています。
 境内にも数株しかないので、盗られることのない書院の庭などに植えてありますが、たまに、じっと見つめている拝観者もおられるそうです。品種改良された栽培種などにはない魅力があります。
 紅葉を見飽きたら、小さな清涼剤、野路菊や菊渓菊に目を留めてみてください。
 紅葉をご覧になる方は、出来るだけ早くお越しください。ただし、これからの京都の大混雑には覚悟をなさってくださいね。




     は   な   び   ら   の   欠   け   て   久   し   き   野   菊   か   な          後藤夜半




 恒例の「かふぇ水琴窟」が、今年も吉祥院で開店します。今年は、施設のメンバーの就職や実習で開店日が少なく、11/11・18・19・22・23・26・29・12/1・2日の11:30〜15:30です、ご来店をお待ちしています。

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