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 境内に延びる「善の綱」と紅葉 / 境内の紅葉の進み具合は平均こんな感じ マウスを載せれば写真が変わります

 今日は雲間が少し多かったものの、まずまずの秋晴れでした。風があって、体感温度は低め。10月最後の日に相応しい冷え込みでした。
   先週の土曜日と比べると、今日は境内を訪れる人の数がずいぶん増えました。紅葉にはまだ早いですが、テレビや旅行誌などでは、もう既に紅葉キャンペーンが始まっているのでしょうね。11月はホテルが取れず、早いのを承知でお越しになった方もおられるかも知れません。
 境内は、かなり色付いてきました。
 去年のことをすっかり忘れてしまっているのですが、今年は木々の色付きがずいぶん早いように思います。「今からこんなに紅くなっていては、11月いっぱいなんて保たないなぁ」という木も結構あります。今月の少雨の影響で、木が潤っていないことも影響しているのでしょう。乾燥が強い年の紅葉は、あまりよくありません。葉先が茶色くなって、綺麗に紅葉する前にカラカラになってしまうこともあります。
 毎日、色付いていく木々を見ながら、ちょっと心配です。


       気持ちのいい秋晴れの朝 / 西日を透かせるとこんなに綺麗 マウスを載せれば写真が変わります
 本堂の前には、木の柱が2本立てられて、そこから本堂の方へ白い布の綱が延びています。青い空に、白い綱が印象的です。
 この柱は「回向柱」、綱は「善の綱」と呼ばれるもので、綱の先は御本尊の御手に結ばれているので、回向柱や善の綱に触れることは、御本尊に触れるのと同じこととされています。
 この設えは、11月5日から15日にかけて行われる「お十夜(十日十夜別時念仏会)」という法要のために、昨日整えられたものですが、実は綱の先はまだ御本尊には結ばれていません。5日の夕方の開闢法要の時に結ばれるのです。今日も触れている方をお見かけしましたが、わざわざ「まだですよ」と申し上げるのも気が退けるので・・・。
 今日の午後には、本堂の内陣に「観経曼荼羅(当麻曼荼羅)」もおまつりしました。同曼荼羅は金糸などによる刺繍製で、江戸中期の明和4年(1767)、この本堂の大きさにあわせて製作された縦5メートル、幅4.4メートルの大きなものです。明日から12月6日まで特別公開されます。
 お十夜の準備が整い、観経曼荼羅が吊されると、一気に紅葉の季節の到来を感じます。大変な季節がまたやってきます。




      色   付   く   や   豆   腐   に   落   ち   て   薄   紅   葉        松尾芭蕉





            参道脇に咲く野路菊 / 吉祥蘭と錦木の落ち葉    マウスを載せると写真が変わります
 野路菊が盛りとなってきました。長く延びた茎が風に揺られているのを見ると、菊の香りが漂ってきそうな気がします。
 野路菊も少雨の影響で、少し元気がなく、葉が痛んだりしています。10月の少雨には、本当に困りました。
 他に境内で咲いている花は、石蕗(つわぶき)、目立ちませんがお茶の花や山茶花も咲き始めました。
 先日、無料のタウン紙から、「境内の南天の実が見頃だと紹介したい」という申し入れがありました。南天など町のどこにでもあります。境内でも其処彼処で見られますが、まとまって生えているわけでもありませんので、お断りしました。しばらく時間をおいて、「何かありませんか?」と、また電話が掛かってきました。余程、ネタに困っているのでしょう。本堂裏の山茱萸を紹介して、写真も送りました。
 南天の実も真っ赤になってきましたし、山茱萸の実も艶やかに真っ赤で、とても綺麗です。
 自坊では、吉祥蘭(吉祥草)の花が咲き出しました。葉っぱの奥に隠れた地味な花ですので、なかなか気が付きません。
 植えている家の吉事のときに花が開くという俗信があるそうです。何かいいことあると嬉しいなぁ〜
 さて、明日から11月。お風邪を召されませんように・・・。




     は   な   び   ら   の   欠   け   て   久   し   き   野   菊   か   な         後藤夜半




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