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                  信用ならぬ青空と色付きはじめの木々    マウスを載せれば写真が変わります

 最近は雨ばかり。「今日はお天気になるのかな」と期待していましたが、スッキリとした秋晴れというわけにはいきませんでした。
 空には、いつもどこかに少しグレーっぽい雲があって、時には半分近くがそんな雲に覆われたり。お昼前に2、3粒の雨が降ったかと思えば、夕方5時頃には地面がわずかに濡れる雨も降りました。
 でも、季節は確実に秋に移り、あの猛暑の日々の記憶が体から消えていきそうです。夜の寝苦しさもなくなりました。
 境内の木々の色も、少しずつ秋らしくなってきました。本堂前の「花の木」の枝先の葉は、もうすっかり紅くなっています。まだ色が澄んでいませんが、本格的な紅葉の頃の様子に段々と近付いて来ました。
 もみじも、いま葉の色が変わっているのは弱っている木が大半ですが、知らない人を「あっ、紅葉し始めている!」と‘感動させる’には充分です。
 「一雨ごとに秋も深まってまいりました」と季節のご挨拶をしたためますが、本当にその通り。来る日も来る日も雨だった日々が、一気に秋をもたらしてくれました。




    秋    雨    に    両    眼    濡    れ    て    蝉    鳴    け    ず          野澤節子






      これが最も酔った色、酔芙蓉 / 花こぼれて撒き散らす宮城野 マウスを載せれば写真が変わります
 酔芙蓉の花も、毎日たくさん咲いてくれています。
 真如山荘の前と、今年初めて咲く総門前とに、10数株植わっていますが、この木を植えたのはつい4年ほど前。成長が早く、すぐに‘成果’を出すにはもってこいで、株も大きくなるので見応えがあります。
 最近は、蛾の幼虫が葉にたくさんいます。職員が酔芙蓉の前を通る時には、目を凝らしてこの幼虫を見つけて取り除くのが‘義務’になっています。また、金ブンも葉っぱを食い荒らしていきます。
 こんな時こそ野鳥が来て、虫を食べてくれるといいのですが、少しも姿を見せません。これからも手作業の虫退治が続きそうです。
 萩も、あちこちで少しずつ咲いてきました。この満開を過ぎた萩は「宮城野萩」。お彼岸の頃に見頃になる普通の萩に比べると、かなり早咲きで、仲秋の名月の頃には名残の花もありません。

        地味に咲き始めた藤袴 / 下から見ると可愛い水引草の花  マウスを載せると写真が変わります
 藤袴の花も咲き始めましたが、こんな状態が10日以上も続いて、ずっと足踏み状態です。
 例年、背丈が伸びすぎて、雨が降った時に倒れたりするので、今年は肥料を与えませんでした。また、7月の少雨の頃の水やりを怠りました。ですから、今年の藤袴は背が低く、華奢です。より‘自然’に近い姿かも知れません。
 見頃はお彼岸を過ぎてからです。
 境内のそこかしこでは水引草が咲いています。小さく控えめな花なので、気付かない人も多いかも知れませんが、その色は実に鮮やかです。
 上から見ると赤く、下から見ると白く、それが金封に使う紅白の水引に似ているというのが名前の由来。でも、老眼の目で見てもぼやけてしか見えず、カメラではピントが合いにくい上に、手ぶれ防止機能が壊れているのでは、なかなかちゃんと撮れません。
 また境内の至るところで、茸がニョキニョキ出ています。茸好きの方にはパラダイスのような境内かも知れません。
 8日は「白露」。空気が夜の間に冷えて、朝露が草木に宿る季節。この頃から仲秋です。
 早いですねぇ、ついこの前、最高気温が38度などといっていたのに・・・。駆け足で移ろう季節に、体調を壊されませんように。




       近    道    の    昔    の    ま    ま    に    水    引    草          小谷久子




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