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                  曇天のもと、新緑の色もくすむ       マウスを載せれば写真が変わります

 朝方まで雨。午後から天気が回復することを期待していたのですが、ずっと曇天。気温は16度まで上がりましたが、どことなく肌寒い1日でした。
 桜はもうすっかり終わり、ほんのわずかに残っているだけ。散る様を楽しめるほどでもありません。
 例年なら、まだ桜を楽しめる最後の頃とあって、今日も境内を訪れる人が結構おられました。
 医学・医療分野で日本最大規模の学会である日本医学会総会が、今日から京都で開催されているそうなので、皇太子をはじめ、たくさんの人が入洛されていると聞きます。何も、こんなハイシーズンの京都で開催しなくてもいいと思うのですが、いずれの学会でも京都で開催すると参加者が多いらしく、まして桜の時期ともなれば、相当な人数になるのでしょう。
 今日は、春爛漫を楽しむには、ちょっと物足りない日でした。


        花びらよりも蘂の目立つ桜 / 開き切らぬ若葉と紅い蕾   マウスを載せれば写真が変わります
 雨の多い桜の時期でした。
 桜の枝先は、ほぼ蘂ばかり。そろそろ‘蘂降る季節’になるでしょう。
 もみじは、ほぼすべての木がが新しい葉を出し、小さな花を咲かせています。
 でも、染井吉野のように一様に咲いて散るのではなく、鮮やかな萌黄色の葉を広げ、花もすっかり開いている木があるかと思えば、まだ生み出されたばかりの縮れた葉に赤く丸い蕾が付いている木もあります。緑にもいろいろな色があり、それと蕾や花の赤がない交ぜになって、何とも複雑な色。
 日に日に赤い色が失せ、葉も完全に開いて、まばゆいばかりの新緑の境内へと移っていきます。
 雨が多い今年の春。そろそろ安定したお天気が続いて、春を満喫できる日がやって来て欲しいですね。




     新   緑   や   う   つ   く   し   か   り   し   ひ   と   の   老          日野草城




              山吹の咲く道 / ひっそりとレンゲ草      マウスを載せると写真が変わります
 ‘百花繚乱’というには大袈裟ですが、境内ではいろいろな花が咲いています。
 今は、手塩にかけて育ててきた草木たちの多くが、その成果を見せてくれる時期でもあります。境内を回ると、「これも、あれも」と、限りがないほどです。
 見事な景色になってきたのは北参道。まだ小さい株も多いですが、100本以上の山吹が黄色い花を咲かせています。
 日当たりもそれほどよくなかったこの参道脇の急斜面。雑木を切って日当たりを改善し、少々危険な思いをしながら、山吹や野路菊を植えました。それから2〜3年。こうして参道が綺麗に彩られました。
 先日、ここを通っていた人が、「わぁー、黄色い桜!」と言っていたのには、腰が抜けそうでした。
 レンゲは、毎年、前年の秋に蒔いたものが開花します。この場所も日当たりが悪いのですが、レンゲを見るのは久しぶりという方も多く、結構、楽しんでいただいています。
 いやぁー、多少大変でしたが、世話をした甲斐があります。

        ちょっとエキゾチックな石楠花擬き / 可愛い赤花瓢箪木   マウスを載せると写真が変わります
 この花をご覧になったことがある方は、ほとんどおられないでしょう。石楠花擬き、ロドレイア・ヘンリー‘レッドファンネル’です。中国・雲南からビルマにかけて分布するマンサク科ロドレイア属の常緑樹で、数年前に通販で買ったものです。
 寺の境内にはちょっと場違いのような感じの、エキゾチックな花ですが、花自体は小さく、下を向いて咲いているので、それほど目立ちません。
 裏写真の花も、通販で買ったもの。珍しい花を、買う傾向にある感じでしょうか・・・。赤花瓢箪木。スイカズラの仲間です。
 なかなか綺麗でしょう? 写真には写っていませんが、隣には赤いトキワマンサクも咲いています。
 木が茂っていて、日当たりの良くない場所が多く、土質も悪い境内では、植える場所を探すのが大変です。「これを植えてください」と苗木などをくださる方もおられ、桜の苗は10本ほどがバックヤードで待機中です。頑張って、立派に育ててあげなきゃ!
 お越しになる皆さんとは、また違った目で草木を見つめ、一喜一憂したりしている春です。
 もうしばらくすると、鐘楼の周りの八重桜が満開になります。新緑と桃色の八重桜もいいですよ! ぜひ、お越しください!




   ふ   ら   こ   こ   に   坐   れ   ば   木   々   の   集   ま   れ   り       井上弘美




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