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会う人の多くが、「寒いですねぇ〜」とおっしゃいましたが、ボク自身は「そうですねぇ」と答えつつ、「それほどでも・・・」と思っていました。
18日、制止を聞かずに馬酔木の撮影に来たテレビ局が、ほとんど開花していない姿に落胆して帰りましたが、「もうそろそろおいでください」と言ってあげたいくらい、馬酔木の花が咲いてきました。全体的にはまだ3〜4分ですが、もう十分見られます。 ただ、控えめな花なので、気付かずに通り過ぎてしまう人も多いかも知れません。明日、「馬酔木開花」の看板を立てようかなぁ。 山茱萸も、遠目にも樹全体が少し黄色くなってきたように見えるほどになってきました。でも、全体としては、まだ0.5分。気を付けて凝視しないと、わかりません。開花チェックをして回っているからこそ、気が付くレベル。でも、こういう時期が、‘玄人的’には面白いのです。
少し離れた参道を歩いている時、比較的濃いピンク色の花びらが落ちているので、「あれっ? なんだろう?」と思ってよく見たら、紅梅の花びらでした。花びらは、結構遠くまで飛んでいくのですね。 離れたところからでも目を惹くので、何人もの方が足を止めて眺めているのを目にしました。 ただ、梅の周りにはロープが張ってあって、近付くことはできません。梅の木の周りには種を蒔いて育てているレンゲが新芽を伸ばしていて、今踏まれてしまうと花が咲かなくなってしまうのです。せっかくのレンゲですので・・・。 自坊には3本の白梅がありますが、どの木も開花して、先日のあたたかさで、一気に見頃になってきました。 紅も白も咲いて、その一角だけ、パァッと明るくなった感じです!
涅槃図は、三井家の女性たちの寄進により、宝永6年(1709)に僧厭求や海北友賢らによって制作されたもので、縦6.2メートル、幅4.5メートルの大きなもの。近年、傷みが激しくなってきたので、2009年4月から2011年2月までの2年がかりで大修復を行いました。今はとてもきれいです。 本堂の内々陣の保存箱に収納してある涅槃図を、3人で担いで、本堂の左脇陣まで運び、5人がかりで吊す作業。 この涅槃図は本堂の大きさに合わせて製作されているので、天井近くに取り付けられた滑車を使って、3人で引っ張り上げます。2人は涅槃図の軸木を移動する係。毎年やっていることですが、なかなか息が合わず、1時間近くかかって、ようやく吊しました。 フライングで、早速、公開! 特別拝観される方には、「花供曽」というあられが授与されます。変な語呂ですが、「花供御」というお供え物を意味する言葉が、転訛したものだろうとも言われています。普段の拝観料は大人500円ですが、特別公開は花供曽付きで600円。花供曽の値段を考えると、ずいぶんお徳なのですよ。 特別公開は3月末まで。大きくて、きれいで、迫力もありますから、ぜひお越しください。 涅 槃 図 の 有 象 無 象 の や さ し さ よ 行方克己
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