2/5版
コロコロとお天気が変わる、冬の京都らしいお天気でした。昨日、立春を迎えはしましたが、今日は寒さが身にしみました。
「探梅」という季語があります。冬の野に、早咲きの梅を探して山野に入ることで、春を待ちわびる冬の季語です。 境内で咲いてる梅は、自坊の前の早咲きの八重紅梅だけ。探さずともわかっています。椿はどうかなぁと見て回りましたが、相変わらず、数本がひっそり咲いているだけでした。 紫陽花の新芽は、ずいぶん前から膨らんでいます。霜や雪で傷まないかと心配ですが、乾燥した冷たさでなければ大丈夫そうです。 先日、冷え冷えとした空気に包まれる中、挿し芽をした苗を定植しました。この冬植えた苗は、これで200本ぐらいになったでしょうか。立派になるまでには5年ほどかかるでしょう。 あと100本ほど植えたら、もう植える場所がなくなります。「紫陽花1000本計画」は、800本ほどで終わってしまいそうです。 5年後が楽しみです!
すみれも、ずいぶん前から咲いていて、その数は大して増えてはいません。目を凝らして探さないとわからないような草の中に、ひっそりと咲いています。 「大工さんの‘墨壺(墨入れ)’に似ていることから、すみいれ…すみれ…になったのですよ」と説明しても、墨壺を見たことがある人は、今はもうほとんどいないでしょう。花の名前の由来を調べると、とても面白いですよ。 「水仙」の名は、中国の古典の「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」というのが源だそうです。海を臨む海岸などにはよく生えていますが、あまり水辺を好むという印象はありませんので、「ほんと?」という感じです。 スイセン属の学名は「Narcissus」。呪いをかけられた美少年ナルシスが、泉に写った自分の姿に恋い焦がれて憔悴して死んでしまい、水仙の花と化したという話が源です。偶然かも知れませんが、やはり水と関係があるのですね。 水仙は、ヒガンバナ科の多年草で、やはり強有毒。少量の葉でも、誤って食べると下痢などを起し、特に、鱗茎には強い毒性があって、誤って食べると、下痢、嘔吐、腹痛、痙攣や神経麻痺を惹き起して、死に至る危険があるそうです。お気を付けくださいね。 明日から、境内の木々に寒肥を施すために、植木屋さんが来てくれます。もうしばらくすると、草木も動き出します。 まだまだ寒い日が続きますが、お風邪など召されませんように。 う す ぐ も り 都 の す み れ 咲 き に け り 室生犀星
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