1/9版 




               冬色の苔と冬木 / 疎らに種の残るもみじの梢   マウスを載せれば写真が変わります

 空の半分が青、半分が黒い雲に覆われるような、晴れたり曇ったり、時雨れたりの、京都の冬らしいお天気でした。北の冷たい空気と南のあたたかい空気が、京都の上でせめぎ合いをしているのでしょう。
 静まりかえった境内。ヘリのホバリングの音が、長い間うるさく響き渡っていました。11日に行われる出初め式のリハーサルか、あるいは11日に行われる全国都道府県対抗女子駅伝の取材リハーサルなのか、かなり耳障りでした。
 しばらく境内を散策しましたが、人影はありません。本堂を一回りして正面に戻ってきたら、茶所前でトイレ休憩をするお年寄りを発見! お二人は日の当たる床机で休憩されていました。最高気温は7.5度。風は少しありますが、日向にいるとあたたかいです。


          屋根から落ちた雪が残る庭 / 白雪被る比叡山     マウスを載せれば写真が変わります
 元旦の雪景色は、前回の当ページでご覧にいれましたが、雪は2日も3日も降りました。
 京都地方気象台によると、3日午前0時、京都市中京区で積雪21センチを記録。昭和29年に41センチを観測して以来、61年ぶりで、市内で観測史上歴代4番目の積雪ということでした。境内は気象台よりも雪が多く、25センチ以上は積もりました。
 元旦の夕方に雪かき。2日、3日の朝も、塔頭の僧や職員総出で雪かきをしました。こんな三が日は初めて。年始参りに来られる方も、かなり少なかったです。
 境内の所々には、屋根から落ちた雪がまだ残っています。一部はまだ屋根に残り、雪解け水が樋を伝って落ちてくる音が、なんとも情趣があります。
 ところが、記録的な雪は少しの被害ももたらしました。雪が解けて滑って落ちる時に、軒瓦を一緒に落としたり、樋を歪めてしまったりで、修理をしなければなりません。
 今日も、比叡山などは時折、うっすら白くなっていました。少し降ってはうっすら白くなり、日が照って解けということを繰り返している様子が、本堂からも眺められました。
 気温が一番下がるのは、1月末〜2月初め。まだまだ寒さは募ります。真冬らしい景色を楽しめるのも、これからです。




     穴   あ   ら   ば   落   ち   て   遊   ば   ん   冬   日   向          中尾寿美子





         近付いた者を香りで魅了する水仙 / 終わりかけの寒椿  マウスを載せると写真が変わります
 赤い実をたくさん付けていた南天や千両ですが、もう一つも残っていません。ただ、山茱萸だけが、楕円形の真っ赤な実をたくさん梢に残しています。鳥が好まないほど、不味いからです。
 わずかに赤い色を見せているのは寒椿。それももう盛りを過ぎました。椿も種類によっては咲いていますが、あまり目立っていません。
 雪の影響が心配だった水仙は、案外、平気だったようで、すくっと立っていました。
 鐘楼に近付くと、かすかに甘い香りがするように思えましたが、手入れをしている者の期待がそう感じさせているのかも知れません。
 寒肥を与えたり、落葉樹などを植え付けたりという、冬の境内ならではの手入れも、もうすぐしたら始めなければなりません。もみじの苗は、もう10本ほど植え付けました。寒い時期は、穴を掘ったりする作業にはもってこいです。
 冬を楽しみながら、春の様子を想像しながら、いろいろな作業が続きます。
 冬の境内が大好きという‘渋い’趣味のお方、しっかり防寒をして、そろそろお越しください。



      野   水   仙   こ   こ   に   香   を   溜   め   香   を   放   ち          稲畑汀子




真如堂のFacebookページができました。ほぼ毎日更新していますので、ぜひ、お立ちよりください。