苦  沙  彌
 (竹内純照)
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    初めはこんな程度だったのですが・・・ / 地表の温度がわかります  マウスを載せれば写真が変わります

 あたたかな日差しに包まれた2015年の幕開けのように思えましたが、お参りに来る方は口々に、「今日は寒いです。すごい風です」とおっしゃっていました。今から思うと、その風が前兆だったのです。
 午後から次第に曇り始め、2時前には雪がちらつき始めました。
 雪はどんどん強く降るようになって、気温も3時過ぎには氷点下。お参りに方のために雪を掃き除いても、すぐに元通り。
 5時頃の境内の積雪は10センチぐらいに達し、まだどんどん降り続けています。
 雪国なら10センチぐらいの積雪なんて当たり前ですが、今日では滅多にありません。
 記憶に新しいところでは、2010年の大晦日に降った‘大雪’が元旦になっても溶けず、多くの方が墓参を断念されたことがありました。

        あっという間に石畳を覆った雪 / 雪の積もった枝も面白い  マウスを載せれば写真が変わります
 お正月の行動は、多くの方がパターン化していて、何日にどこへいくというのが結構決まっています。「毎年、正月2日にご先祖のお墓に御挨拶に伺う」という予定の方、今年はちょっと無理かも知れません。困りましたねぇ。
 さて、真如堂でも、大晦日から元旦にかけては行事が続きます。大晦日の夕方には除夜のお勤め。年が改まる頃には除夜の鐘。元旦の早朝には「修正会」。除夜の鐘が終わって修正会に向かうまでには3時間もありませんので、寝不足です。おまけに、元旦には引っ切りなしにお参りの方がお越しになるので、昼食を摂ることさえままなりません。
 その上、明日は早朝からの雪かき必須。「励めよ」という年頭の教示かも・・・。





     元   日   の   雪   に   気   魄   や   豊   か   に   降   る         河野南畦





            真剣に鐘を撞く / 闇に明るい鐘楼堂     マウスを載せれば写真が変わります
 昨日の除夜の鐘も、ハプニングのスタートでした。
 鐘を撞く時の明かりと暖を取っていただくため、境内の3ヶ所でかがり火を燃やします。鐘楼の屋根の下でも1つ燃やしますが、昨日はその炎が高く上がりすぎて、火災警報器が発報してしまったのです。今まで何十年やってきましたが、初めてのことでした。
 通報は直接消防署に行きます。「誤報です」とすぐに連絡しましたが、「発報があった場合は、とにかく消防車2台が向かいます」ということで、サイレンを鳴らして消防車がやってきてしまいました。
 消防隊は本当に誤報だという確認作業を済ませて、撤収されました。大変ご迷惑をお掛けしました。
 少し遅れましたが、除夜の鐘開始。撞きたい方が多いので、例年4〜5人以上で1回撞いてもらっています。
 写真を撮って欲しいという希望にもできる限り応じてきましたが、今年は例年にも増して希望が多く、ほぼどの組も希望されました。増加の原因はスマホの普及。カメラはわざわざ持参しなければいけませんが、スマホは常に携帯されています。
 でも、スマホは暗い中では非力で、またシャッターを押してからのタイムラグもカメラよりもありますので、とても撮りにくいのです。撮れていないことも多かったかも・・・。来年からは、希望に応じるのはカメラだけにしようかなぁ・・・。
 お越しになった皆さんのお顔を拝見していると、来る年へ心新たに向かって行こうという、さわやかな希望のようなものを感じました。
 どうか、2015年を素晴らしい、佳き年になさってくださ〜い!




     ひ  と  ひ  と  り  こ  こ  ろ  に  あ  り  て  除  夜  を  過  ぐ          桂 信子