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                      あたたかき立冬の境内       マウスを載せれば写真が変わります

 今日は立冬。テレビのニュースでは、‘立冬らしい’行事の様子を伝えていました。
 天気予報では冷え込むと言っていましたが、それほどでもなく、最高気温は20度で、平年よりも気温が高いくらい。少し動くとが汗がにじみました。
 お天気もよかったので、紅葉の始まった境内にはいつもよりも多くの人が訪れました。
 でも、まだゆっくり境内を散策できる程度で、紅葉の盛りの頃のざわついた境内よりも、よほど落ち着いています。
 ホテルはもう高くなり始めて、思ったようには取れないとも聞きます。京都が一番混雑する時期が、ジワジワと近付いているのを、境内の人の数からも実感します。
 今年の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの舞台は、鷹峯・源光庵だと、先日初めて知りました。京都では、あのCMは流れませんので、他聞でもしないとわかりません。
 鷹峯の狭い道路に、車がひしめく様子が容易に想像できます。かつて、真如堂が舞台になった時も、そうでした。
 静かなほうがいいですねぇ。静かに、しみじみ、紅葉に浸りたいですねぇ。


               紅葉の早い場所をピックアップ        マウスを載せれば写真が変わります
 今年は9月の日照時間が平年より長かったこともあり、綺麗で、長い期間、紅葉が楽しめるという予想ですが、毎年、あまり当てにはなりません。
 実感として言えるのは、今年の紅葉は1週間ほど早く進んでいるということです。
 「12月は、もう何もないのでは・・・」と心配になるほど早いペースで、本堂前の桜などはもうほとんど散ってしまいました。もみじも、写真の通り、かなり早いのです。
 本堂の裏は、まだほとんど緑色。こちらは、例年通り、12月に入ってからが見頃でしょう。
 「見頃はいつ頃ですか?」という問い合わせも増えてきました。まぁ、これから12月の初めまで。詳しいことはわかりません。
 それよりも、お天気と時間ですね。晴れた日の昼下がり、太陽が少しずつ西に傾いていく3時頃など最高です。あちこちの名所を移動するのではなく、時間の経過と共に移り変わっていく景色を見るのが一番。
 とにかく数を回ればいいというようなツアーなどには参加せず、ゆっくり、たっぷりご覧ください。





       あ   た   た   か   き   立   冬   の   庭   掃   き   に   け   り        吉田 澄子





              真っ赤な羽団扇楓 / ほっとする野路菊の白   マウスを載せると写真が変わります
 本堂前の左側、沙羅の樹の西側に、少し変わった葉っぱの楓が植わっています。羽団扇楓です。15年前のお十夜の時、鉦張り念仏を奉納された西多摩の玉泉寺さんから記念にいただいたものです。大きな葉が真っ赤に染まってきました。
 この木を見る度にその時のことを思い出します。本当にいい記念になりました。
 境内のあちらこちらで咲いている野路菊が、いい香りを放っています。よく香る菊です。
 境内が赤や黄に染まっていく中、白い花はとても有り難い、清涼剤のような存在です。茶所前の小菊もよく咲いてきました。
 境内にお越しになったら、紅葉だけではなく、そんな小さな花にも注目してみてください。なお一層、秋から初冬の景色が心に染みます。

                毎夜、鉦を打つ鉦講の人たち         マウスを載せると写真が変わります
 11月5日、お十夜の開闢法要が勤修され、15日までの10日間、法会が営まれます。
 14日までは、毎晩6時から約1時間、「鉦講」の方々による十夜鉦の念仏が奉納されます。
 鉦講は、近所の方や檀家の方など、50〜80代の男性14人。練習を含めて12日間、毎日ずっとお勤めいただくのですから、大変です。
 しかも、10数種の‘パターン’や‘独唱’部分、変わった打ち方をする部分もあるので、参加されてまだ日が浅い人は、大先輩たちに指導されながら、帰ってお風呂の中で声を張り上げてみたりと、次第に上達していかれます。そして、かなり上手くなられた頃に、お十夜も結願です。
 今年は結願の15日は土曜日。朝から十夜鉦も聞けますし、歳を取ってから下の世話をしてもらわなくても済むという「たれこ止め」の十夜粥の接待もあります。2時からはきらびやかな僧衣をまとった僧衆や、かわいい稚児たちのお練りもあります。ぜひ、お参りください。
 今夜は満月が、とても綺麗でした。




      庭    先    を    月    が    通    り    て    十    夜    寺          中山純子



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