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                      色付き早い今年の境内       マウスを載せれば写真が変わります

 今日から11月。2ヶ月表示のカレンダーをめくったら、残っているのは1枚だけ。ちょっとビックリしました。
 夕べから、少ししばらくぶりの雨。夏の間は水やりを怠らないのですが、秋になるとあまり必要ではないように思ってしまって、つい怠ってしまいます。でも、結構乾いていて、鉢物などは萎れてしまっているのさえあります。
 連休初日ですが、出鼻をくじくような雨ではなく、それでいて木々には少しの潤いとなりました。濡れた葉っぱを見て、ホッとしました。
 先月27日には「木枯らし1号」が吹き、最低気温が10度以下にまで下がった日もありましたが、今日は16.6度。最高も19.5度で、気温の変動の少ない日でした。
 雨の上がっている合間に境内の写真を撮りました。曇り空でも、こんなに色付いているように見えるのですから、晴れたらどれだけ綺麗か、ご想像ください。
 9月以来、本堂を目隠しするように建っていた足場も、3日に撤去されます。紅葉の季節に間に合ってよかったのですが、足場の上からの絶景が見られなくなります。足場から、全山が赤く染まる光景を見てみたかったなぁ・・・


                   落ち葉の参道            マウスを載せれば写真が変わります
 桜やかえで(カナダ国旗の模様のような)などは、もうかなり落葉しました。また、自坊の前にある無患子(むくろじ)は、黄色い紅葉もかなり色褪せ、もう半分以上が落葉しました。
 今、境内が赤く見えるのは、ほとんどがこの桜や花の木などかえで類の紅葉で、もみじはまだあまり色付いていません。今年は、この桜やかえでなどの‘先発隊’の紅葉が、特に早いのではないでしょうか?
 朝起きて、門を開けた時、薄暗い中にたくさん葉っぱが落ちているのを見ると、「あー、掃除に時間がかかるなぁ」と、気が重たくなります。
 寺院関係者や旅行業者などは、口を揃えて、「今年の紅葉は早い」とおっしゃいます。真如堂の境内でも、例年よりも1週間ほど早いペースで紅葉の兆しが見られます。また、京都府立植物園の園長さんは、「今年は秋が長く、11月中旬から12月上旬まで楽しめるのでは」ともおっしゃっています。
 「今年の紅葉は早く、美しく、また長い間楽しめる」というのが、現時点での予想です。さぁ、当たるでしょうか?





       好   き   な   道   桜   紅   葉   の   頃   な   れ   ば          稲畑汀子





                茶所前の小菊 / 参道脇の野路菊     マウスを載せると写真が変わります
 酔芙蓉の花もすっかり終わり、後はいつ短く剪定をするかだけとなりました。今年は、少し花数が少なかったかも知れません。
 いま、境内で咲いているのは、山茶花やお茶の木の花、そして菊です。
 菊は、境内のあちらこちらで咲いている「野路菊」、そして茶所前などの小菊、書院庭の嵯峨菊や伊勢菊、そして大菊など。菊が咲くと、一気に季節が進んだように感じます。
 初めて明かしますが・・・、境内には菊渓菊(きくたにぎく)という、小さな黄色い小菊も植わっています。
 その名前は、東山のかつての菊の名所「菊渓」に由来します。今は自生は見られず、京都府レッドリストでも絶滅危惧種に指定されている、別名「アワコガネギク」という貴重な種類です。
 先日、藤袴の育成をされている方がご覧になって、「ここは、野路菊も菊渓菊もある!」と驚かれていたそうです。
 野路菊は300株ほどまで増えましたので、来年は‘菊渓菊プロジェクト’を立ち上げて、増やそうと思っています。

           お十夜の準備整う / きらびやかな観経曼荼羅     マウスを載せると写真が変わります
 さて、11月。いよいよ、「お十夜」の季節がやってきます。
 お十夜は、室町時代に真如堂で始まった法会で、後に鎌倉・光明寺に伝えられ、全国の主に浄土宗寺院に広がりました。阿弥陀如来の報恩に感謝する、お念仏の法要です。
 真如堂では、11月5日の開闢法要から15日の結願法要、御閉帳法要までの10日間いとなまれます。30センチほどの台に吊した鉦8丁を、「鉦講」と呼ばれる人たちが独特の節回しで打って、念仏などを唱えます。この「真如堂の十夜鉦」は、昨年、京都市の無形民俗文化財(民俗芸能)に登録されました。
 先日、本堂は‘お十夜仕様’に変更され、鉦を打つ‘舞台’も作られて鉦も並びました。この法要の期間中、季節は秋から冬へと移ります。
 また、内陣では、「観経曼荼羅(当麻曼荼羅)」の特別公開も始まりました。
 この曼荼羅は、縦5メートル・幅4.4メートルの、金糸などによる刺繍製で、江戸中期の明和4年(1767)、三井家によって寄贈されたものです。
 とても華やかなもので、本堂の瓔珞などの荘厳具と合わさって、本堂の中がパァーッと明るくなりました。
 いよいよお十夜、いよいよ紅葉。真如堂が多くの人で溢れる季節が近付いて来ます。うれしくもあり、うれしくもなし・・・。




      今   日   よ   り   は   十   一   月   の   旅   日   記          星野立子



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