11/1版
今日から11月。2ヶ月表示のカレンダーをめくったら、残っているのは1枚だけ。ちょっとビックリしました。
今、境内が赤く見えるのは、ほとんどがこの桜や花の木などかえで類の紅葉で、もみじはまだあまり色付いていません。今年は、この桜やかえでなどの‘先発隊’の紅葉が、特に早いのではないでしょうか? 朝起きて、門を開けた時、薄暗い中にたくさん葉っぱが落ちているのを見ると、「あー、掃除に時間がかかるなぁ」と、気が重たくなります。 寺院関係者や旅行業者などは、口を揃えて、「今年の紅葉は早い」とおっしゃいます。真如堂の境内でも、例年よりも1週間ほど早いペースで紅葉の兆しが見られます。また、京都府立植物園の園長さんは、「今年は秋が長く、11月中旬から12月上旬まで楽しめるのでは」ともおっしゃっています。 「今年の紅葉は早く、美しく、また長い間楽しめる」というのが、現時点での予想です。さぁ、当たるでしょうか? 好 き な 道 桜 紅 葉 の 頃 な れ ば 稲畑汀子
いま、境内で咲いているのは、山茶花やお茶の木の花、そして菊です。 菊は、境内のあちらこちらで咲いている「野路菊」、そして茶所前などの小菊、書院庭の嵯峨菊や伊勢菊、そして大菊など。菊が咲くと、一気に季節が進んだように感じます。 初めて明かしますが・・・、境内には菊渓菊という、小さな黄色い小菊も植わっています。 その名前は、東山のかつての菊の名所「菊渓」に由来します。今は自生は見られず、京都府レッドリストでも絶滅危惧種に指定されている、別名「アワコガネギク」という貴重な種類です。 先日、藤袴の育成をされている方がご覧になって、「ここは、野路菊も菊渓菊もある!」と驚かれていたそうです。 野路菊は300株ほどまで増えましたので、来年は‘菊渓菊プロジェクト’を立ち上げて、増やそうと思っています。
お十夜は、室町時代に真如堂で始まった法会で、後に鎌倉・光明寺に伝えられ、全国の主に浄土宗寺院に広がりました。阿弥陀如来の報恩に感謝する、お念仏の法要です。 真如堂では、11月5日の開闢法要から15日の結願法要、御閉帳法要までの10日間いとなまれます。30センチほどの台に吊した鉦8丁を、「鉦講」と呼ばれる人たちが独特の節回しで打って、念仏などを唱えます。この「真如堂の十夜鉦」は、昨年、京都市の無形民俗文化財(民俗芸能)に登録されました。 先日、本堂は‘お十夜仕様’に変更され、鉦を打つ‘舞台’も作られて鉦も並びました。この法要の期間中、季節は秋から冬へと移ります。 また、内陣では、「観経曼荼羅(当麻曼荼羅)」の特別公開も始まりました。 この曼荼羅は、縦5メートル・幅4.4メートルの、金糸などによる刺繍製で、江戸中期の明和4年(1767)、三井家によって寄贈されたものです。 とても華やかなもので、本堂の瓔珞などの荘厳具と合わさって、本堂の中がパァーッと明るくなりました。 いよいよお十夜、いよいよ紅葉。真如堂が多くの人で溢れる季節が近付いて来ます。うれしくもあり、うれしくもなし・・・。 今 日 よ り は 十 一 月 の 旅 日 記 星野立子
|