10/2版 




               色付く桜と花の木 / 紅葉の気配見える     マウスを載せれば写真が変わります

 もう10月。毎年、お盆が終わったら、後は時の流れが一気に加速されるように感じます。
 今日は薄曇り。雨がほんの少しパラッと降りましたが、傘を差すほどでもありませんでした。
 今日の最高気温は27.9度。10月から僧衣が冬用になったのですが、暑くって、暑くって・・・。お天気のぐずつく日が続きそうなので、今日以降は気温も下がっていくのでしょうね。
 過ごしやすい気候になったためか、散策する人が多くなってきました。あまり明確な目的をもっておられるような感じでもなし。気の向くままのんびり歩いている方が多そうです。
 今年は、北海道や東北の紅葉が素晴らしいと聞きますが、京都はどうでしょう? 木々の色付き具合が例年よりも早いので、何とも予想が出来ません。
 今は桜の紅葉がきれい! 一度に色付くのではなく、赤い葉もあれば、黄色い葉も、まだ青い葉もあり、赤くなった葉から順次散っています。そんな‘ダラダラ紅葉’がしばらく続くので、掃除をする身には、桜はちょっとやっかいです。
 でも、様々な色の混じり合った境内も、また趣があるもの。落ち葉が散っているのも、また風情です。





      桜  落  葉   か  そ  け  き  音  を   惜  し  ま  ざ  る          山田みづえ






            茶庭のほととぎす / ひっそりと貴船菊      マウスを載せれば写真が変わります
 境内では、酔芙蓉の花が盛りです。一度に全部の花を咲かせるのではなく、成熟した蕾から咲いていくので、花期がかなり長いです。
 藤袴は盛りを過ぎつつあります。ここ数日、毎日、浅葱斑がやってきています。同じ蝶が毎日やってきているようで、今年はこの1匹(頭)だけ。群れから外れたのでしょうか? 来る度にカメラを持って走っていますが、なかなかうまく撮れません。
 ほととぎすの花もよく咲いて来ました。去年、たくさんの株をもらったのですが、自由に通行できるところに植えておくとすぐに盗られるので、拝観順路の中の茶庭などに植えました。環境が合ったのか、今年はよく咲いています。
 毎年、いろいろな草木を入手しては植えますが、すべてが順調に育ってくれるわけではなく、枯れてしまうものも少なくありません。ほととぎすのように、環境も見た目にも‘ドンピシャ’のところへ植えることができて、上手く育ってくれるのは植木屋坊主冥利に尽きます。
 去来の句碑の後ろに植えた貴船菊は、増えもせず、減りもせず。肥料をやれば、雑草ばかりが大きくなりますし・・・。白花もいいですねぇ。

           藪豆の花と実 / 色とりどりの藪みょうがの実    マウスを載せると写真が変わります
 実りの秋。境内をグルッと回ると、いろいろな実に出会います。
 山茱萸の実は、ずいぶん紅くなってきました。もう少し色が澄んできたら、本当にきれいです。
 椿の実も、あちこちに落ちています。分厚い皮がはじけて、黒く大きい実が散らばっています。
 木に絡まっている蔓には、むかごが付いていました。落とさないように気を付けながら収穫して、ポケットへ。もう少し収穫して、かき揚げや炊き込みご飯にしようと思います。ポケットは、椿の実とむかごでいっぱいになりました。
 藪豆の花と実を同時に見つけました。はびこって、絡みついて、本当に困りものの藪豆ですが、こんなにかわいい花を咲かせます。花後にできる豆は大きくありませんが、地下にも豆を作り、その大きさは花後の豆の5〜7倍。食べても美味しいそうです。飢饉の時には役に立つかも知れません。
 同じく、放っておくと増えるのが藪茗荷。茗荷といいますが、露草の仲間で、食べる茗荷とは種類が違います。
 地下茎で増えたり、種でも増えるので厄介なのですが、実はなかなか綺麗です。若いうちは緑で、熟すにつれて青くなります。ご婦人方には、エメラルドやサファイヤのように見えてきませんか?
 秋の野には、他にもいっぱい実がなれています。それを探して歩いても、面白そうです。秋の佳き日、ぜひともお出かけください!




      収   穫   の   芋   煮   ふ   く   め   て   二   人   の   夜          前田 靖子



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