7/18版
朝、老鶯のぎこちない鳴き声で目が覚めました。鴬は恋をすることによって鳴き方が上達すると聞きますが、この鴬は晩熟なのでしょうか?
去年は8月下旬に来たので、「もうピークを過ぎているから、来年は1ヶ月早く来てください」と言ったところ、ちゃんとその通り来たのです。 「暑い盛りに木槿も頑張って咲いているので、皆さんも暑さを乗り越えてください」というようなコメントを欲しがるのも例年通り。その通り、話しました。 近畿エリアで放送されたので、「見ました!」とメールをいただいたり、翌日は「昨日、テレビに出ていた花はどこですか?」と、数組の方に尋ねられたりしました。 テレビでご覧になると、木槿がいっぱい咲いているように思われるのですが、境内の木槿が約20本。それほど多くはありません。でも、いろいろな種類の木槿が見られるお寺が他にあまりないのか、いつも歳時記の一幕に使われます。 白居易の「槿花一日の栄」から、1日で萎むように思われがちですが、白居易は儚さの喩えに使っただけで、実際は開いて萎むを2〜3日繰り返します。 ともあれ、厳しい日射しの中でも色とりどりの花を見せてくれる木槿は、とても有り難い花です。
1ヶ月前、本堂前で無数の花を咲かせて芳香を振りまいた菩提樹は、いま生理落果の季節。あの花の数だけ実を成熟させると木が弱ってしまうので、木を健全に維持するために実を落とす、淘汰作業の真っ最中です。 木の下には、実の軸が付いている葉のような形をした‘苞’がいっぱい落ちています。それをかき分けて実を探している人を見かけますが、木が‘捨てた’ものですから、ちゃんとした実はありません。もうしばらくは、掃除人を悩ませ続けます。 梅雨の頃にはいっぱい生える茸も、少雨の今年は少な目です。 根元などに茸が生えてくるようになった木は、もう死んでしまっているか、余命が短い木なので、茸を見つけては、ショックを受けています。 元気そうに見えている木も、隙あらば食い荒らしてやろうという虫がいたり、菌に浸食されたり、また少雨という‘兵糧攻め’に遭ったりと、いろいろな困難に曝されています。自然の凄さを毎日見せてもらっている気がします。 20日は、夏の土用の入り。季節が変わっていき、「残暑」という酷暑の季節がやってきます。 さぁ、暑さに負けないように頑張らなきゃ!! お 互 い に そ れ は 言 わ ず に か き 氷 川阪京子
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