7/12版
台風が通り過ぎた後、蒸し暑い日が続いています。
中でも、いろいろな色や形が楽しめて、華やかで、花期の長いのは木槿。先週もご紹介しましたが、また新しい種類が咲き始めました。 駐車場の脇という場所がイマイチなのですが、総門を入った時にパッと目立ちます。 訪れる人を見ていると、サッと花に近付いてくる人もいれば、一瞥だけで通り過ぎてしまう人もいます。花がお好きな方はもちろん、写真を撮りに来た人や吟行をしている人などは、足を止めます。でも、何の目的で境内に来られたのだろうと思うほど、チラッとさえ見ない方もおられます。 充分、魅力的だと思うのですが・・・見てあげて欲しいですねぇ。
本堂の左、真如山荘の前に、今まで長い間庫裏の奥に放置してあった大きな蓮鉢2つを引っ張り出してきて据えました。 土や元肥を入れ、「臭い」と非難されながら土を熟成させ、そこに蓮の専門店で買った蓮根を植えました。 1つは「真如蓮」。真如堂の名前に因んで選んだのですが、 「白蓮の貴公子」とも賞賛されるという白一重の大輪です。もう1つは、「嘉祥蓮」。「嘉祥」とは、疫病を防ぐため、旧暦6月16日に16個の餅や菓子を神前に供えて食べた行事で、ちょうどその頃に咲くため、この名がついたのだろうとのこと。真如蓮より少し小振りで、白地に紫紅色の爪紅。開花し始めは赤紫色で、次第に退色して白くなるのだそうです。 昨日から真如蓮が咲き始め、おそらく明後日頃に嘉祥蓮が咲き始めるでしょう。今日が「嘉祥」に当たります。また、自坊の蓮も、時を同じうして昨日から咲き始めました。 蓮は清浄で、文句なしに美しいですねぇ。心が洗われる気がします。まだ蕾があるので、しばらく楽しめそうです。
来年は、また一回り大きくなってくれているでしょう。「今年もありがとう」。 鐘楼周りの紫陽花園の横に、去年植えた姫緋扇水仙の花が咲き始めました。この花、ご近所でもお見かけになったことがあるのではないでしょうか? あまり目立たない場所なので、「ハッ!」とするような色の花がいいだろうとこの花を選んだのですが、日当たりのよい場所を好むとのこと。開花するかどうか心配でした。何とか咲いてくれてホッとしました。 ヒオウギは祇園祭には欠かせない花ですが、それは「桧扇」。名前は葉の形が桧の扇に似ていることに由来し、桧扇の種の射干玉には魔よけ・ 邪気除けの力があると信じられ、祇園祭に活けられるのだそうです。 境内に咲き出したのは「緋扇」。この名は花の色に由来しているのでしょう。南アフリカ原産の緋扇水仙と姫菖蒲の交雑種。フランスで作られ、明治時代の中頃に渡来したそうです。 少し薄暗い中に、 目にも鮮やかな色で咲いている姫緋扇水仙。字は違えど、祇園祭の頃にタイムリーな開花です。 次回は、梅雨明け前になるでしょうか、後になるでしょうか? 蒸し暑い盛り、ご自愛ください。 さ う い へ ば 祇 園 祭 で あ り し こ と 稲畑汀子
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