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           生き生きと垂れ下がるもみじ / 誰もいない雨の参道 マウスを載せれば写真が変わります

 早朝、降っているかどうか、よく見ないとわからないぐらいの雨だったのが、時間を追うたびに本降りに。風も出てきて、荒天になってきました。
 九州北部では断続的に猛烈な雨が降って、長崎県では50年に1度の記録的な大雨になっているとか。近畿も、夜にかけて雷を伴って激しく降るという予報が出ていて、予断を許しません。
 でも、今日の雨は、とてもうれしいのです。本格的な雨を、ずっと待ち望んでいました。
 近畿は梅雨入り後も雨の少ない日が続き、6月の京都市の降水量は61ミリと、85年ぶりに6月の最低降水量の記録を更新しました。平年が214ミリですから、1/3にも達しないほどの少雨でした。
 鴨川の川底の石が見えたり、桂川などでは川の水量が減って、アユ漁に影響が出ているとか。境内の木々も、弱っていたものはかなりのダメージを受けて、枯れてきてしまいました。

               久しぶりの水の流れ / 飛沫も心地よい      マウスを載せれば写真が変わります
雨頼みの池の水位は、下がっていく一方。「夕立でもいいから、降って・・・」と願っていました。
 今日、雨の境内を歩いていると、木々たちの喜ぶ声が聞こえてくるように感じました。
 願わくば、表土を削り取っていくような激しい雨ではなく、しとしと、ゆっくりと、夜の間に降ってくれますように・・・。
 いよいよ梅雨も後半に入り、本格的なシーズンを迎えそうです。この先1ヶ月は、平年よりも気温が高く、雨も平年より多くなりそうだとか。
 どうか、災害が起きることがありませんように。





     梅  雨  は  降  り   梅  雨  は  晴  る  る  と  い  ふ  こ  と  を         後藤夜半





              ちょっと遅いけれど、息吹き返す紫陽花    マウスを載せると写真が変わります
 待ちに待った雨で、紫陽花も、ようやく生き生きとしてきました。
 今年は、いずれの紫陽花の名所も、あまり見栄えがしないという声を耳にします。潅水設備を備えている社寺もあるでしょうが、やはり自然の雨には敵いません。みな、ほっとされていることと思います。
 紫陽花の花も、もう峠を越しつつあります。
 先日より、終わりかけている花を切り落とす作業を始めています。勿体なく思われるでしょうけれど、切るタイミングが来年の花付きに影響します。
 本来の美しさを見せることなく終わっていった紫陽花には本当に申し訳ないですが、「来年に向けて頑張ろうね」と声掛けするような気持ちでの作業がしばらく続きます。
 そんな紫陽花の花の寿命も、今日の雨で少し延びました。有り難い・・・。

                  今年は木槿の当たり年         マウスを載せると写真が変わります
 総門内の駐車場付近の木槿むくげは、例年よりも早く、見頃を迎えつつあります。
 夏の炎天下の中でも次々と花を咲かせる、夏が大好きな木ですから、暑さや少雨などものともしていないのかも知れません。
 花は、一重、半八重、八重咲きがあり、花びらの形や枚数によってさらに細かく分類されます。色も、白、濃紅、濃紫、青紫、ピンクなどがあり、形と色の組み合わせで、実に多くの品種が楽しめます。
 今年は葉の色もよく、蕾もたくさん付いています。「よくできたなぁ〜」と思って、木の周りを回って点検して、唖然としました。木の根元近くが腐っている木が数本あるのです。表から見るとまったく異常がなく、樹勢からもそんなことは想像もつきませんでした。
 蟻などの被害が考えられるので、雨が上がったらすぐに対処します。枯れた時のために、新しい株も用意しておかなければ・・・。植物の世話をするだけでも、大変です。




     い   つ   よ   り   か    ひ   と   り   を   好   む    花   木   槿          小林松風