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                     緑のトンネルの色も落ち着く       マウスを載せれば写真が変わります

 梅雨とはいうものの、あまり雨が降りません。1週間ほど前までは雨がちでしたが、その後はほとんど降らず、空梅雨のような気配。
 今夜から日曜までは雨で、強く降るかも知れないそうですが、週明けは雲が多いものの雨ではなさそう。中休みだらけの今年の梅雨です。
 緑が綺麗だった境内も、新しい葉の色が濃くなったのと、水切れで黄や赤っぽくなる葉も現れて、少し雰囲気が変わってきました。でも、写真では新緑のように綺麗な緑色ですね。日を透かして撮ったので、実際よりも美しく見えるのかも知れません。
 あまり人の行き来のない境内。今日は湿度も高く、蒸し暑く感じました。今日の最高気温は31.4度。平年よりも3度以上高めですが、暑さに慣れてきたせいか、それほど暑くは感じませんでした。
 京都の暑さはまだまだこれから。こんな程度ではビクともしません。




     ひ   ら   ひ   ら   と   白   き   蝶   舞   ふ   梅   雨   晴   間         沢    聰





             五芒星の絵馬と菩提樹の実 / 悟りの木のゴミ   マウスを載せれば写真が変わります
 開花から2週間経った菩提樹も、もうすっかり実になりました。
 でも、まだ茶色くなった花粕が枝先に残っているので、ご覧になった方の中には花や蕾と勘違いしている方もおられます。「わぁー、咲いているわよ!」と喜んでおられるので、「それは実です。花はもう終わりました」とは言い出し難い雰囲気です。髪の毛にたくさんの花粕を積もらせたご婦人もおられましたが、これもちょっと言い出し難くって・・・。
 樹下を黄色く染めていた花粕もすっかり茶色くなってしまいましたので、今日、職員さんが掃除をしました。集まった花粕は、60センチ四方の袋のほぼ半分。いったいどれくらいの花の‘残骸’がこの袋の中に入っているのでしょう?
 今年も楽しませてくれた菩提樹の花、ありがとう。次は、実を楽しませてもらいます。

                 毎日咲いても尽きぬ沙羅の花       マウスを載せると写真が変わります
 沙羅の花も、今年はずいぶんたくさん咲いてくれています。今日は50輪以上でしょうか? もっとかな?
 一気に咲いて、一気に散っていく花ではないので、盛りがいつなのかはなかなか判断しにくいですが、今が盛りであることは間違いないでしょう。今月いっぱいは大丈夫です。
 ‘本物’の沙羅の花は、ジャスミンのような香りを放つそうですが、日本の沙羅「夏椿」はあまり匂いません。
 この花の持つ儚いイメージと名前、花弁の白と雄蘂の黄の対比などが多くの方を惹きつけるのではないかと思いますが、割と地味な存在だと思います。
 せっかく本堂の前までお越しになっても、沙羅に気が付かずに帰ってしまう方もおられます。説明書きも掲示してありますので、ぜひご覧ください。

          少雨でも元気なタイプ? / 盛りまでもう少し      マウスを載せると写真が変わります
 紫陽花の見頃が近付いて来ました。でも、雨が少ないので、元気がありません。ホースで水撒きをしても、なかなか追いつきませんし・・・。
 いろいろな種類の紫陽花を観察していると、少雨などものともせずに太い茎を林立させているような株があるかと思うと、すっかりしな垂れているものもあります。前回ご報告した葉ダニに対しても、強い種類、弱い種類があるようです。
 昨年よりも種類が増えた花を見ていると、「紫陽花にもいろいろな個性があるなぁ」と感心します。形も色も違いますし、同じ種類でも植えた場所によって色が変わって来ます。
 『阿弥陀経』に、「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光(それぞれの色はそれぞれの光を放っている)」とありますが、得難き‘オンリー・ワン’だと思います。

   南からしか見えないGolden rain treeの花 / 咲き出しちゃった木槿 マウスを載せると写真が変わります
 本堂前の菩提樹は終わりましたが、自坊の‘菩提樹’は今が盛り。クマバチの群れが蜜を求めて集まって来ています。
 菩提樹といっても、こちらは「栴檀葉の菩提樹」、モクゲンジです。葉が 栴檀の葉に似ていて、黒い種が数珠に利用することができるところからその名があると言われています。
 英名は‘Golden rain tree’といいますが、ボクは栴檀葉の菩提樹よりも、この英名のほうがこの木にはふさわしいと思っています。
 花が咲き始める頃になると、すぐに樹下には黄色い花の粕が降って来ます。その様子がまさに‘Golden rain’のようなのです。花もいいですが、落花も美しい木です。
 総門の内側では木槿むくげの花が咲き始めました。最初に開花している光景を見た時、「えっ、もうそんな時期!」と思いました。
 花期の長い木槿は、9月頃まで次々と花を咲かせますが、‘盛夏の花’というイメージがあります。「梅雨もまだ最盛期ではないのに…」と思いましたが、明日は夏至。あっという間に時は過ぎて行きました。
 木槿の花数も、これから日に日に増えていきます。それと共に、暑い日がやってくるのですね。
 どうか、皆さんご自愛ください。




     あ  ら  く  さ  の   香  立  ち  て  あ  り  し   夏  至  の  こ  ろ         岸田稚魚