6/13版
お天気の安定しない日が続いています。「梅雨の末期のようなお天気」と評されたりしていますが、集中豪雨で被害が出たりしています。
ここ数日は、人の気を惹きつけようとしているがごとく、香りを四方八方に放っています。菩提樹の開花を知らずに訪れた方も、本堂の前まで来て、「あっ、この花の匂いだったのねぇ。何の匂いがしているのだろうと思っていたの」と合点がいったふう。 木の周りには、毎日、人影が絶えることはありません。皆さん、どこで開花のことをお知りになったのでしょうねぇ。寺務所への問い合わせの電話も、毎日、数件はありましたが・・・。お越しになった方を見ていると、リピーターやファンが多いようでした。 盛りを過ぎつつある花をよく見ると、花の中に小さな実がすでに出来ています。受粉すると、雌蘂の元がすぐに膨らむのでしょう。実の先には雌蘂が付いたままです。 今は、盛りの花、盛りを過ぎた花、実が出来ている花と、いろいろな姿を楽しめます。‘見頃’はあと3日ほどです。
もう少し花数は増えていきますが、全部の蕾が一気に開くわけではなく、‘静かに’咲いているという感じです。それがまた人気を呼ぶのでしょう。今年は例年以上に蕾の数が多いので、期待大です! 菩提樹も沙羅も、それぞれ説明書きを掲示してありますが、その中に「仏教の三聖樹」という言葉が出てきます。「菩提樹と沙羅、あと1本は何ですか?」と尋ねる人が、時々あるそうです。そういえば書いてありません。無憂樹です。お釈迦さまの生母摩耶夫人が、美しく咲き誇っていた無憂樹の花房を手折ろうとして右手を上げた瞬間、その右脇腹からお釈迦さまが誕生されたといわれています。 菩提樹も沙羅も、インドの‘本物’は日本では育たず、それぞれ別の木が充てられましたが、無憂樹だけはそうされませんでした。ですから、温室にある‘本物’以外は、日本にはありません。説明板に書くスペースがありませんでしたので、悪しからず。 咲き終わった沙羅の花は、木の下には一つも残っていません。誰かが持って帰られたのでしょう。沙羅で有名なお寺では、落ちた花を冷蔵庫に保管しておいて、翌日にまた並べるという演出をしておられるとか。まぁ、それも趣向でしょう。真如堂の沙羅の落花は、どうぞお持ち帰りください。
前回にもお知らせしましたが、たくさんの紫陽花が不調になってしまいました。せっかく付いた花が枯れてしまったり、葉が落ちたりした株が20ほど。残念無念・・・。 専門家に原因を調べてもらった結果、葉ダニではないかということ。すぐに薬を取り寄せ、今日、届いたばかりの薬を、空模様を気にしながら撒布しました。 枯れてしまったのは元には戻りませんが、これ以上、被害を拡大させないために徹底抗戦です! 幸い、午後は晴れたので、大助かり! 紫陽花の見頃はこれからです。境内にお越しになったら、ぜひ、本堂裏と鐘楼周りの紫陽花園へお立ちよりください。 お天気の急な変化に、どうぞお気を付けください。 真 直 ぐ に 落 ち た る 沙 羅 は 重 た き 花 三好潤子
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