4/25版
ゆっくりした高気圧に覆われて、快晴の日が続いています。朝晩はちょっと涼しいものの、昼間は暑いぐらい。今日は一気に25.9度まで上がりました。5月下旬並みだったそうです。
ややこしいのは花の木。‘表写真’、左から桧(上)、もみじ(下)、赤いのが花の木、褐色も花の木。花の木の色は、葉ではなく、種の色です。赤い方はおそらく西洋種か園芸種の花の木。褐色のは木曽福島産。枝振りも違います。 あと1週間ほどすると、‘翼’の付いた2.5センチほどのこの種が、風に吹かれてクルクル舞いながら飛んで来ます。それはもう、愉快というか、パラダイスというか、誰も見ていなければ、キャァーキャァー言いながら手を思いっきり延ばし、種を捕まえようと走り回りたいです。 あ ら た う と 青 葉 若 葉 の 日 の 光 松尾芭蕉
あまり目立たないので、知らない人も多いですが、千体地蔵前辺りには普賢象桜が2本あって、花を咲かせています。 スコップでは掘れないほど硬くて、石コロも多い土質のため、普賢象の木は樹勢も弱くて、一向に太りません。なかなか花芽が大きくならないので、「枯れてしまったんだろうか」と思っていたら、思いのほか沢山の花を付けてくれました。その花も、盛りを過ぎました。 桜に代わって、つつじの花が一気に咲き出しました。咲いたのを見て、「えっ、もうそんな季節なんだ」と知らされたような感じ。4月も残りわずかになったのですね。
夕方、これを見るのを楽しみに、犬の散歩をしているという人に出会いました。毎年、種を買って蒔いていると説明すると、大体の人は驚かれます。かつては、あちこちで見られた風景ですもの。 やはり自坊の前では、時折、甘い香りが漂ってきます。 「ひょっとして!?」と見に行くと、咲きかけていました バニラエッセンスのような香りは、風向きになどよっては、三重塔の向こう側まで漂って来ます。でも、近付いてみたら案外に匂わなかったり、朝や夕方によく匂ったり、どういう時によく匂うのかがわからない、不思議な花です。 どこに唐種招霊の木があるのかご存じない方が、匂いを手がかりに木を探そうとしても、まず見つけるのは不可能。花は美しいわけでもないので、甘い匂いをいっぱい吸い込んで、美しい花を想像してみてください。
ボクも、1日に何回か見に行くことがあります。可憐ですよ! 和風モダンな‘パッチワークの庭’、「随縁の庭」ではオトコヨウゾメの花が満開です。 「オトコヨウゾメ」という名前を初めて聞いたという方がほとんどでしょう? 関東〜九州の山野に自生する落葉性の低木で、ガマズミの仲間です。 3年前に庭が出来る前からこの場所に生えていて、庭を設計された重森千青さんの「残しましょう」の一声で、切られず済みました。花後に扁平な楕円形の実がなり、秋に赤く熟します。この実を鳥が運んできたのが、ここまで育ったのでしょう。 こんなにたくさんの花が咲くのは、今年初めて。派手さはない、素朴な感じの花です。庭が出来る前はただの雑木でしたが、今では拝観される多くの人に見てもらえるようになりました。 本当にいい季節ですねぇ。こんな時には、外に出ましょう! 花いっぱいの静かな境内にお越しください! 春 夕 好 き な 言 葉 を 呼 び あ つ め 藤田湘子
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