4/4版
季節が逆戻りしたような、肌寒い日でした。
境内の其処彼処で桜が咲いていて、つい10日ほど前の景色とはまるで違います。もみじが葉を広げ始めたので、なおさらです。 お花見の人出のピークは、明日・明後日でしょうか? 紅葉の時ほどではありませんが、ホテルは取れず、取れたとしてもかなり高額になっているとか。道路も混雑していて、普段通りには移動できません。 幸い、ボクは混雑の中を出かけて行かなくとも、毎日お花見ができます。でも、ゆっくり春を満喫できるのは、花見の人波が収まった後。これからが楽しみです。 さ く ら さ く ら 香 り は ど こ に 置 い て 来 た 松田裕子
山桜は花と赤茶色の葉が一緒に出ますので、すぐにわかります。山桜には100種類ほどあるといわれ、自坊にある山桜は、葉が赤茶色ではなく、緑色です。接ぎ木でしか増やせない染井吉野と違って、実生でも増えるために個体差があります。花も長い期間にわたって楽しめ、染井吉野のように一気に咲いて1週間ほどしか楽しめないのではなく、木によって開花時期が微妙にずれていたようです。 染井吉野は寿命が短く、60年ほどだと言われることがあります。「成長が早いので、その分、老化も早い」という説もあります。でも、染井吉野は秘策を持っているのです。 染井吉野は老木になってくると幹が空洞になってきたりします。そこに「不定根」という根が出てきて、やがて地面にまで達するとその根が一気に太って、驚くほど樹勢が快復するのです。不定根は他の桜でも出ますが、染井吉野は出やすく、この「不定根」こそが、染井吉野若返りの秘策なのです。 境内にも若返り中の染井吉野が何本もあります。もう花も終わりかけですから、桜たちの秘策をご覧になっては? 人間にもこんな秘策があったら、喜ぶ人も多いでしょうに・・・。
馬酔木、山茱萸、椿はもとより、山吹、レンギョウ、シキミ、レンゲ草、シャガ、雪柳や、もみじも早速に花を咲かせています。 花の写真をアップで撮ろうとしたのですが、風で大きく揺れて、ピントが定まりません。山吹など、連獅子の相舞のようで、ファインダーの中から消えてしまうほどでした。 ‘裏写真’は「ヘンリー君」。「ロドレイア ヘンリー」という、マンサク科ロドレイアの花。別名「石楠花もどき」です。 おそらくご覧になったことはないでしょう。まだ日本では珍しい木で、真如堂にも3年ほど前に植えたばかり。やっと、2メートルほどになり、今年はたくさんの花を付けました。 中国南部〜ベトナム〜ビルマ原産で、香港では旧正月の飾りに欠かせない花とか。どのように飾るのでしょう? 花の付き方や葉・樹姿がシャクナゲに似ているので「石楠花もどき」とも呼ぶということですが、どこが似ているのでしょう・・・。 桜は終わっても、花の姿が絶えることはありません。様々な花が楽しめる季節、これからが楽しみです! 野 遊 び の 二 人 は 雨 の 裔 な ら む 河原枇杷男
|