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        あっという間に見頃の枝垂れ桜 / 真如堂境内、今日開花 マウスを載せれば写真が変わります

 今朝はちょっとヒンヤリしていましたが、気温はぐんぐん上がって、今日の最高気温は22.9度。一気に4月末〜5月初めの気温となり、屋外で少し体を動かしたら汗ばむほどでした。
 お待ちかねの桜は、昨日、京都でも開花宣言が出されました。平年に比べ1日早く、昨年より5日遅い開花宣言です。
 京都の桜の標本木は、二条城にあります。その前は京都地方気象台にあり、半世紀にわたって京都の桜の開花基準となっていました。しかし、寄る年波には勝てず、2006年に現役を引退。気象台の正門近くにある樹齢約30年の木が新たな標本木に選ばれました。ところが、前の標本木と新たな標本木の開花日が合ったのは、候補段階の10年間で2回だけ。「これはまずい」ということなったのか、2012年から二条城の木に変わりました。
 以前の開花宣言は、「どこに咲いているの?」と思うほど早い傾向でしたが、二条城の木に変わってからは、ようやく実感通りとなりました。
 境内の染井吉野は、今日、‘開花宣言’。枝垂れ桜は昨日咲き始めたと思ったら、今日のあたたかさで一気に見頃です!


           縦皮桜も、かろうじて‘開花宣言’ / 江戸彼岸の‘証’ マウスを載せれば写真が変わります
 枝垂れ桜とほぼ同時に、染井吉野よりも少し早く咲く、本堂南側の「縦皮桜」も、今日、何とか開花宣言です。
 枝垂れ桜も縦皮桜も、共に江戸彼岸系の桜です。
 全国の長寿の桜は、ほとんどが江戸彼岸。山高神代桜(山梨県武川村)や根尾谷の淡墨桜(岐阜県根尾村)は千年以上の年月を経ているといわれています。
 花は染井吉野よりも少し小さく、一重咲き。見分けるのに一番わかりやすい特徴は、萼の基のところが丸く膨らみ、瓢箪のようになることです。染井吉野ではないし、山桜でもないと思った時は、花に近付いて、つけ根のところを観察してみてください。膨らんでいたら、江戸彼岸の系統です。
 染井吉野は短命で、「60年寿命説」というのがまことしやかに囁かれます。でも、染井吉野は「不定根復活術」という秘法を持っているのです。今日は不定根の写真を撮っていませんし、書き出すと長くなるので、来週ご説明します・・・忘れなかったら。




      初   桜    蕾   し   た   が   へ    楚   々   と   し   て          佐藤ともえ




                 朝靄に紅の花 / これが花?       マウスを載せると写真が変わります
 桜の時期に咲く花があります。「花の木」です。
 秋、境内に一早く紅葉時期の到来を告げるのは、この花の木ですが、春の芽吹きの時期は、鮮やかな真紅の花が目を惹きます。
 「花の木」とは、葉が出る前に真紅の花が咲くことから付けられた名前です。
 境内には10本ほどの花の木がありますが、1週間ほど前から花が咲き始めた木があり、通りがかる人が「何の木? 新芽?」と言いたげに、不思議そうに見上げながら写真を撮ったりされています。
 光の当たり加減によっては、なおさら美しい! 境内に来られた方は、お花見のついででもいいですから、忘れずに必ずご覧ください。


            一気に芽吹いたもみじ / 椿の下は真っ赤      マウスを載せれば写真が変わります
 あたたかくなったら、いろいろな花が急に咲き始めたのはもちろんですが、草もあっという間に伸びました。寒肥を施した木の回りは、伸び方が特に著しく、肥料が効いているかどうかは一目瞭然です。これから当分は、草木が「これ、やって!」と‘指示’を出すのを敏感に察知しながら、掃除や草引きの作業が続きそうです。
 もみじの新芽も急に開き始めました。もうずいぶん芽を吹いている木やまったく動かない木など、かなり個体差があります。それぞれが個性的で、その声を聞くのも楽しみです。
 馬酔木はまだまだ絶好調。山茱萸は盛りすぎ。椿は実に美しい! 植物がお好きな方なら、境内をグルッと一回りするだけでも、十分楽しめること請け合いです。
 京都市内は、かなり混み始めました。春休みの家族連れ、卒業旅行とおぼしきグループ、連なった大型バス。京都の春の観光シーズンもいよいよ盛りに差し掛かってきたと感じさせる渋滞ぶりです。
 桜の見頃は、土日でいうなら4月5・6日。桜の名所をハシゴするのもいいですが、のんびり歩いて回るほうが春を満喫できるでしょう。時間に余裕を持ってお越しください。




      た   ん   ぽ   ぽ   の    サ   ラ   ダ   の   話    野   の   話           高野素十