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        半溶け状態の石畳の雪 / 重たそう、助けてやらねば  マウスを載せれば写真が変わります

 夕べの天気予報では、今日は大変な雪になると繰り返して報じていました。
 夜が明ける頃、恐る恐る窓の外を見てみましたが、雪は屋根の上に2センチほど積もっただけ。体感的にも、「昨日よりも寒くないなぁ」と思いました。
 門を開けに行くと、石畳の上にみぞれのような雪がうっすらと積もっていました。蓮鉢には氷が張っていません。やはり、それほど寒くないのです。境内の木々の枝には、雪がいっぱい付いて、その重みでかなり垂れ下がっていました。
 しばらくして、もう一度外へ出ると、石畳が先ほどよりも白くなっていました。今日は六阿弥陀巡拝の日。お年を召した方も来られるので、参道の雪かきをしておいたほうがいいだろうと思って、竹箒を持って始めましたが、その雪の重たいこと。シャーベット状の雪で、箒で掃くと、半透明になっていきます。本堂前から、正面参道の下まで雪かきをするのは重労働。

          古木には酷な雪 / もう少し積もれば美しいものを…  マウスを載せれば写真が変わります
 雪の重みで枝が折れてはいけないと思い、垂れた枝の雪を落としながら、作業終了。時折、高い枝からドサッと水気の多い雪の塊が落ちてくるのに気をつかいながらの、あまり風情のない雪かきでした。
 雪が降ると人が増えるのはいつものこと。数人の方がカメラを持って、忙しそうに境内を右往左往されていました。
 雪の日は庭の砂紋も綺麗なので見に行ってみると、場所によっては少し白く積もり、あるいは半透明に溶け、砂紋の形が何とかわかる程度。こちらも雪の‘装飾’を活かしきっている景色ではありませんでした。
 雪は次第にみぞれや雨に変わりましたが、気温が5度ほどまでしか上がらなかったので、夕方まで溶けずに残っているところもありました。
 関東地方などでは、記録的な大雪になったようですね。その影響などもあって、今日予定されていた法事を延期されたりする方もおられました。
 でも、京都は平穏。ボクは今日のみぞれのような雪を見て、「あぁ、春も近いんだなぁ」などと暢気に思っていました。



        ま  ば  た  き  て   睫  の  濡  れ  し   春  の  雪          行方克己




         紅梅の熱さに溶かされる雪 / 侘助の花を隠す雪   マウスを載せると写真が変わります
 この時期に雪が降った時、決まって見に行くのは紅梅。紅梅の紅い花の上に白い雪が積もっているのは、何とも美しいものです。
 紅梅が綿帽子を被るのも、春の兆しです。
 椿に雪が積もるのも、同じく美しいですねぇ。白という色は、いろいろなものを引き立ててくれます。花嫁衣装にも、そんな効果が秘められているのかも知れません。
 ただ、困ったことに、水仙の花が雪の重みでたくさん倒れてしまいました。もともとが倒れやすい、ひょろ長い水仙の花。どうして、こんなに寒い、虫も少ない時期に、花を咲かせるのでしょうか?
 今日降った雪の溶けた水が、じんわりと地面に染み込んでいき、木々の根に達する様子をイメージします。日が長くなってきたのを敏感に察知した草木の中には、早速にも春に向けての準備を始めようとしているものもあるでしょう。
 「毎年お願いしている寒肥を、早くやってください」と植木屋さんに言おうと電話をしたら、体調不良で入院されたとか。植木屋さんも心配ですが、根っこが動き始める前に寒肥を施してもらわないと、気がかりです。




       紅   梅   に    積   り   し   雪   は    染   り   け   り          永井龍男