1/24版
朝は結構冷え込んで、最低気温は−2度程度。境内には2つの池がありますが、その凍り具合で寒さがわかります。今朝は氷が少し分厚かったです。
この冬の菩提樹は、例年にも増してたくさんの実が枝先に残っています。 菩提樹の実をじっとご覧になった方は、大抵、「えっ、面白い!」とおっしゃいます。実の付き方が独特なのです。、普通の葉とは別の、へら状の「総苞葉」というものの真ん中から花柄が伸び、その先に花が咲いて実を結びます。こんな花の咲き方、実の付け方をする木は、シナノキ科の一部に限られるのではないでしょうか。 実を重しに、総苞葉を羽根にして、クルクル回りながら落ちてくる菩提樹の種は、実に愉快です。木の下のは結構落ちていますから、手にとって放り投げて楽しんでみてください! もみじも、木によってはたくさんの実を付けたままです。 異常気象などに木が危機感を感じて、子孫を残さなければと考えた時に、たくさんの実を付けるという説があります。去年の夏の暑さが危機感を煽ったのかも知れませんが、実を付けやすい木、付けにくい木などの個体差があるように思います。木の年齢も関係しているかも知れません。そんな因果関係を調べて論文を書けば、博士号ぐらいもらえるかも知れません。 話は少しずれますが、9、10月の月平均気温が1℃上昇すると、日本の大部分の場所では、紅葉が4.0〜4.2日遅くなるというデータもあります。 今年の桜は早い? 遅い? 紅葉はどうだろうと、気を揉ませるのも天の為す技。人間の思うようにいかないのが、いいところです。 枝 の 先 力 貯 め た る 冬 芽 か な 岡野安雅
椿は、何本も咲いているのですが、ほとんど目立ちません。一斉には咲かず、ポツリ、ポツリと咲いていくので、目立たないのかも知れません。今の時期の椿は、赤色よりも白色の花が多いような気もします。 でも、寒い時期に凛として咲く椿は、控え目ながらしっかりと存在感を持った花だと思います。 今日のような日の光が差す日には、枝先でキラリと光る実が目を惹きます。白山吹の種です。 「山吹」といっても、黄色い山吹とは姿が違って、こちらは‘木’のような樹形。室町時代の川越領主 太田道灌が、「七重八重花は咲けども山吹の 実の一つだになきぞ悲しき」と駄洒落のように詠んだように、黄色い山吹には実が付きませんが、白山吹には漆のように光沢のある皮に包まれた種ができます。これに光が当たると、とても綺麗なのです。 この実は撒けばたいてい発芽しますので、育ててみたいという方は、採取してくださって結構です。 冬は冬の楽しみ。饒舌ではない境内ですが、個性あふれる木々が待っています。 そ よ ぐ も の 光 と な り ぬ 日 脚 伸 ぶ 小松崎爽青
|