1/24版 




               快晴の境内 / 百日紅の枝はクネクネ     マウスを載せれば写真が変わります

 朝は結構冷え込んで、最低気温は−2度程度。境内には2つの池がありますが、その凍り具合で寒さがわかります。今朝は氷が少し分厚かったです。
 今日は快晴! いっぱいの光を浴びて気温は上がり、3時頃には3月上旬並に12度を越えました。
 向こう1か月の平均気温は平年よりも高くなりそうだとか。桜の開花も平年より早くなる予報ですが、でもこれは、この冬の寒さが非常に厳しく、桜の花芽が早く目覚めて生長し始めていると考えられるためなのだそうです。「休眠打破」が順調に進むということですね。
 桜が咲いて、新緑が美しい季節も待ち遠しいですが、木々それぞれの個性的な形を見ることができる冬も捨てたものではありません。真っ直ぐ伸びる枝、クネクネ曲がる枝、一目で病んでいるとわかる枝、しっかりと芽吹きの準備を進めている木々たち、それぞれが素晴らしい冬の景色を見せてくれています。


            青空に愉快な菩提樹の実 / ‘群れる’もみじの種  マウスを載せれば写真が変わります
 冬の落葉樹にはもちろん葉がありませんが、たくさんの実が付いている木があります。
 この冬の菩提樹は、例年にも増してたくさんの実が枝先に残っています。
 菩提樹の実をじっとご覧になった方は、大抵、「えっ、面白い!」とおっしゃいます。実の付き方が独特なのです。、普通の葉とは別の、へら状の「総苞葉」というものの真ん中から花柄が伸び、その先に花が咲いて実を結びます。こんな花の咲き方、実の付け方をする木は、シナノキ科の一部に限られるのではないでしょうか。
 実を重しに、総苞葉を羽根にして、クルクル回りながら落ちてくる菩提樹の種は、実に愉快です。木の下のは結構落ちていますから、手にとって放り投げて楽しんでみてください!
 もみじも、木によってはたくさんの実を付けたままです。
 異常気象などに木が危機感を感じて、子孫を残さなければと考えた時に、たくさんの実を付けるという説があります。去年の夏の暑さが危機感を煽ったのかも知れませんが、実を付けやすい木、付けにくい木などの個体差があるように思います。木の年齢も関係しているかも知れません。そんな因果関係を調べて論文を書けば、博士号ぐらいもらえるかも知れません。
 話は少しずれますが、9、10月の月平均気温が1℃上昇すると、日本の大部分の場所では、紅葉が4.0〜4.2日遅くなるというデータもあります。
 今年の桜は早い? 遅い? 紅葉はどうだろうと、気を揉ませるのも天の為す技。人間の思うようにいかないのが、いいところです。



       枝   の   先    力   貯   め   た   る    冬   芽   か   な          岡野安雅




         小さく清き白侘び助の花 / キラリと光る白山吹の実   マウスを載せると写真が変わります
 いま境内で咲いているのは、水仙、蝋梅、椿。
 椿は、何本も咲いているのですが、ほとんど目立ちません。一斉には咲かず、ポツリ、ポツリと咲いていくので、目立たないのかも知れません。今の時期の椿は、赤色よりも白色の花が多いような気もします。
 でも、寒い時期に凛として咲く椿は、控え目ながらしっかりと存在感を持った花だと思います。
 今日のような日の光が差す日には、枝先でキラリと光る実が目を惹きます。白山吹の種です。
 「山吹」といっても、黄色い山吹とは姿が違って、こちらは‘木’のような樹形。室町時代の川越領主 太田道灌が、「七重八重花は咲けども山吹の 実の一つだになきぞ悲しき」と駄洒落のように詠んだように、黄色い山吹には実が付きませんが、白山吹には漆のように光沢のある皮に包まれた種ができます。これに光が当たると、とても綺麗なのです。
 この実は撒けばたいてい発芽しますので、育ててみたいという方は、採取してくださって結構です。
 冬は冬の楽しみ。饒舌ではない境内ですが、個性あふれる木々が待っています。




     そ  よ  ぐ  も  の    光  と  な  り  ぬ    日  脚  伸  ぶ          小松崎爽青