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どんより曇って、いつ時雨れてきてもおかしくない空でしたが、夕方にはわずかに日もさしてきました。スカッと晴れ渡っていたら、今年1年が佳き年になるような気分になれたでしょうが、何事もほどほどでよいのかも知れません。 祈祷寺ならば、厄除けや願掛けのための初詣をする人がたくさんお越しになるのでしょうが、真如堂は極楽往生を願ったり亡き人の供養を主とする寺。ですから、お正月にお参りされる方の大半は檀家の方で、年始の墓参が目的。朝早くから夕方まで、家族連れでお越しになりました。 元旦はまずお墓参り行って、その続きに親戚の家に挨拶に行くなどと、行動パターンはそれぞれのお家によってだいたい決まっています。決まったようにしないと何となくスッキリしないという方が多いのでしょう。また、お正月のお参りは、家族や普段は別々に住んでいる子や孫も一緒ということが多く、中には総勢10人以上というお家もあります。元旦にまず父母や先祖を家族親族揃ってお参りするというのは、大変いいことだと思います。 参詣者の駐車場は車でいっぱい。境内は墓参の方々の姿がチラホラ見られました。
11時45分からまず僧衆が鐘を撞き、その後は希望される方に順次鐘を撞いていただきます。今年は希望者がずいぶん多く、鐘つき待ちの行列はあっという間に本堂前の参道にまで達しました。 108つという‘制限’があるので、鐘は5〜6人で1回。6本に分けたロープをそれぞれ持っていただいて撞いていただきます。鐘の数をカウントする係の僧は、「はい、お二人連れはおられませんか?」などと、単身やカップル、家族連れなどを組み合わせて5〜6人の‘チーム’を作っていきます。カウントが進んで行くと、残った回数と行列されている人の数を見計らって、「はい、3人で結構です」「お二人? じゃぁ、お二人でどうぞ」などと‘チーム’の構成人数を減らしていきます。最後はまた僧衆が撞いて、一番終いは連打をして締めくくり。 ボクはもっぱらカメラのシャッター係。「はい、押してあげましょう」と、カメラを預かっては撮影していました。困るのはスマホ。シャッターを切るタイミングが計りにくく、フラッシュが付いていない?ので、ちゃんと写ったかどうか・・・。「このお寺はサービスいいねぇ」という声が何度か聞こえました。 1時半頃に108つを撞き終え、自坊に帰って冷えた体をお風呂であたためて寝るのが2時過ぎ。5時には起きて6時からの修正会の法要に備えるので、毎年、元旦は寝不足です。でも、除夜の鐘や年始の墓参に来られる方のお顔を見ていると、多くはうれしそうです。新しい年を迎えられる喜びが、自然とお顔に現れているのでしょうね。 今年も、季節折々の真如堂の光景をお伝えしていきたいと思います。どうかよろしくお願い致します。 元 日 の 玄 関 に あ る 笑 ひ 声 塩尻青笳 |