12/27版
夕方から雨が本降りになってきましたが、雪になるほど冷え込みませんでした。でも、明朝の予想気温は氷点下。かなり寒くなるようです。
この境内にワァーッと人が来られるのは大晦日の夜。除夜の鐘を撞きに来る人たちです。老いも若きも、日本人だけではなく外国人もたくさんお越しになります。 若い人や外国人には、除夜の鐘を新年のカウントダウンのイベントのように思っている人も少なくありませんが、今年亡くなったご家族に思いを馳せてお越しになったり、健康や厄除けなどを祈願するつもりでお越しになる方もおられます。鐘を撞きに来た一人ひとりに、様々な思いを感じる除夜です。 数年前の大晦日には、何度も雪かきをしたことがありました。鐘が撞き終わるまでは、ずっと鐘楼にいなければなりません。どうか寒風吹きすさぶことなどがありませんように。 念 々 と 次 の 音 を 待 ち 除 夜 の 鐘 加倉井秋を ま た 一 つ 風 の 中 よ り 除 夜 の 鐘 岸本尚毅
以前、タウン紙の女性記者と、境内の花を、やれ山茶花だ、いや寒椿だといって口論したことがありました。その記者は後から同級生だとわかったのですが、向こうは端から知っていたのです。 山茶花と寒椿の区別が、いまだにわかりません。咲く時期や樹形・樹高などで大体は区別できるのですが・・・。いま、そのどちらかの紅い花が、境内でひときわ目立っています。 ‘普通’の椿で今咲いているのは白色ばかり。それぞれ2メートル余ある木で、数本が咲いていますが、あまり目立ちません。しかも、綺麗な白ではなく、咲き始めから部分的に茶色くなってしまっています。病害虫や生育条件、日照などの影響のようですが、せっかくの白椿なのに残念です。
もみじの落ち葉掃除が進んだ草むらでは、彼岸花の葉が元気よく光を求めて広がっていました。葉が落ちて日を遮るものが少なくなった時期に、こうして葉を広げるのが、彼岸花の‘戦略’です。でも、多くの人は木の葉が彼岸花のものであることにお気づきにならないでしょう。 植物たちの冬の様子からは、様々な工夫や戦略が見えてきます。土や苔の下からは虫が出てきますし、その虫を目当てに鳥がやってきます。木の幹などには、春を待つ虫の卵が産み付けられています。それを見て回るだけでも十分楽しめる冬の境内は、パラダイスです! 今年最後の更新となりました。「また、同じようなことを書いている」と我ながら思いますが、文章や知恵が泉のように湧くじゃなし。行間を埋めるためには致し方ありません。でも、書くことによって「あっ、そうだ!」と自分で再確認し直して、翌日、境内に確かめに行ってみるなどということもあり、このページを作る作業はボクの頭の活性化に役立っています。1年間、お付き合いいただき、ありがとうございました。 来る年が皆様にとって幸多き年となるように祈念して、今年の締めくくりとさせていただきます。 う つ く し や 年 暮 れ き り し 夜 の 空 小林一茶
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