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                  冬木立の境内に早変わり       マウスを載せれば写真が変わります

 今季一番の冷え込みとなり、今朝の最低気温は0.3度。境内ではもう少し低かったのではないかと思いますが、結氷はしていませんでした。最高気温は11度でしたが、明日はもっと寒くなるとか。10月には30度台まで気温が上がる日もあったのに、本当に急ですねぇ。
 つい半月前まで賑わっていた境内も、今は人影もまばら。紅葉を見に来られたような方を時折見かけますが、時既にかなり遅し。落ち葉の片付けも順調に進んでいる境内です。
 気象情報会社ウェザーニューズによると、今年の紅葉を「とても鮮やか」「鮮やか」と回答した人は46%で、昨年の63%を下回ったとのこと。同社は「夏に西日本で気温が高く少雨で10月に関東や東北に相次いで台風が接近したのが原因ではないか」と分析しています。9月に葉の状態を調査したところ、九州で大きさと色、中国地方と四国でも大きさに問題があるとの結果も出たのだそうです。
 確かに、今年の紅葉はそれほど美しくありませんでしたが、それはさておき、紅葉の季節が終わってホッとしているというのが正直なところです。
 普段は静かな真如堂も、紅葉の季節だけは‘異様な’雰囲気になってしまいます。ようやく、いつもの真如堂が戻って来ました。


           なおさら綺麗、残り紅葉 / 掃除は後回しの一角   マウスを載せれば写真が変わります
 境内には、紅く色付いたもみじが今も数本残っています。もちろん、紅葉の盛りの頃に比べると色の冴えでは引けを取りますが、ゆっくり楽しめるという点では最高点が付けられます。
 冷え込んだ空気の中で見るわずかに残った紅葉は、一点豪華。回り中が真っ赤っかという時に比べて、ホッとします。遠目にも真っ赤に見えているもみじを目指して近付き、あっちから、こっちから眺めて、すっかり堪能。佳き時間でした。
 「紅葉の時には行きません」という方も、戻って来られました。やっぱり、こんな真如堂がいいですよねぇ。ボク自身も、紅葉の頃はあまり好きではありません。




     風  の  輪  を  見  せ  て   落  葉  の  舞  ひ  に  け  り         加藤三七子




             種だらけで困ったね / 菩提樹の実は寒々し  マウスを載せると写真が変わります
 葉を落としたもみじの梢に、いっぱいついた種が目立つようになりました。
 ビッシリと無数の種が付いている木もあれば、まったく付いていない木やわずかに付いている木など様々。品種に因るのか、環境なのか、個体差なのか、わかりません。
 嵯峨野のお寺で、もみじの種を発芽させた小さな苗を、参拝された方に差し上げているというニュースをテレビで見ました。もう随分な数になるそうです。
 「それは素晴らしい! 苗をもらって育てた人は、お寺への愛着も湧くし、もみじを大切に思ってくださるだろう」と、早速真似をさせていただくことにして、今日は散歩がてらに種を採取しました。
 ただ、テレビで見たお寺は、種を蒔いたり育てる作業を職員さんか出入りの植木屋さんがやるのでしょうが、真如堂でやるのはボク独り。思い付くのはいいのですが、結局は仕事が増えるだけ・・・。でも、いいアイデアですので、いただき!
 菩提樹も、やはり種が目立つようになりました。今年は、枝に付いたままの種が、例年よりも多いように思います。でも、この種はなかなか発芽しません。


             墓地を彩る南天の実 / 夏椿の冬芽      マウスを載せれば写真が変わります
 種といえば、お墓では南天の真っ赤な実がかなり人目を惹いています。日が当たると艶々と光って、なおさら綺麗です。
 でも、この景色が見られるのももうあとわずか。赤い実は鳥の目を惹き、熟した頃にはあっという間に食べられてしまいますが、墓地の南天がなくなるのは鳥の仕業ではありません。墓地の管理人がお正月用の花にこの実を添えるために、すべて採ってしまうのです。仕方ありませんねぇ。
 今日は、木々の冬芽も見て回りました。桜、もみじ、皆まだ小さいです。そりゃぁそうです、ついこの前、葉を落としたばかりなのですから。それでも、もうちゃんと次の芽が用意されているところがすごいですねぇ。
 木の形、枝振り、冬芽などを見て回るのも、冬の楽しみです。鳥の姿もよく見えます。


                 凜と咲く水仙 / 寒椿は鮮やか       マウスを載せれば写真が変わります
 一昨年に鐘楼の周りに植えた水仙。植えた年はほとんど咲かず、昨年は数十株が花を咲かせました。3シーズン目の今年は、たくさんの株に花芽が付いて、少しずつ咲き始めてきました。
 水仙は、ボクの大好きな花のひとつ。水仙はヒガンバナ科。世界に60種類以上の原種があり、1万以上の品種がつくり出されているそうですが、境内に似合うのは日本水仙が一番でしょう。清楚で品があって、簡潔な感がします。
 もう少し咲き進んでくると、鐘楼の近くへ行くだけで、薫ってくるでしょう。楽しみです!
 椿、寒椿、山茶花などもよく咲いています。野路菊も、まだ切らずにそのままにしてあります。自坊では、十月桜が10月以来ずっと咲き続け、ここ数日は花数が増えています。
 紅葉が終わっても楽しみがいっぱい! 寒いですが、野に出てみてくださ〜い!




      遠  ざ  か  る   人  と  思  ひ  つ   賀  状  書  く          八牧美喜子