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               野路菊と紅葉 / 今が最高! 花の木     マウスを載せれば写真が変わります

 紅葉シーズンの幕開けともいえる土曜日。曇りがちのお天気でしたが、寒くもなく、行楽には佳き日でした。
 今日明日はたくさんの人が境内を訪れ、これからはウィークデイでも人だらけになります。これからの3週間は、普段の真如堂とはまるで違う、‘人混み’になります。
 紅葉は去年と比べると少し遅れていて、一昨年とほぼ同程度。昨年は12月の初めには終わっていましたが、今年はもう少し長く見られるでしょう。ほぼ平年並みでしょうか。
 「いつ頃が見頃ですか?」という問い合わせが多く寄せられますが、境内の場所によってピークが違うので、「今日も見頃です。12月の初めまで見頃が続きます」としかお答えのしようがありません。
 明日からはグッと冷え込むとか。紅葉は最低気温が8度になると始まり、5〜6度以下になると色づきが進むといわれまます。気温的にもこれからですね。


         人抜きには撮れなくなってきました / みな同じ写真撮る  マウスを載せれば写真が変わります
 今日は一眼レフを持った人もかなりおられました。中高年は例年のことですが、最近は若い女性が一眼レフで写真を撮っている姿をよく目にします。一眼レフが軽くなったからでしょう。
 カメラではなく、スマホで写真を撮っている人もずいぶんおられます。数年前なら‘ガラ携’でしたが、今は見なくなりました。ボクはまだガラ携です。
 今日は、一眼レフを首から提げた中国(台湾?)人の姿が異様に多かったです。メジャーではない真如堂には、撮影ツアーなどで中国人が来ることはありましたが、ツアーではなさそうですし・・・。マナーはよくありませんが、言葉が通じないので何ともしようがありません。困りました。
 でも、少し前は多かった‘三脚オジサン’たちは、すっかり鳴りを潜めました。きっと、あちこちでブーイングの嵐だったからでしょう。
 カメラなどを見ているだけでも、時の移り変わりを実感します。



      登  り  く  る  人  を  見  て  居  り   紅  葉  茶  屋          野村泊月




           昭和57年定植の花の木 / 紅葉に塔のシルエット マウスを載せると写真が変わります
 境内でいま綺麗なのは、花の木です。  1枚目の裏写真の花の木は、昭和天皇御大典記念に木曽福島で買い求めて京都植物園に植えられたうちの1本で、その後の昭和4年、三井家から真如堂に寄付されたものです。この木の美しさに、昭和57年には10本ほどの花の木が植え付けられていますが、花や開花の様子、葉の形、翼果や紅葉の具合などがそれぞれ違います。
 それらの花の木の紅葉が今はピーク。もみじの赤とはまた違った、朱に近い紅葉を見せてくれています。
 正面参道を上がった右側のもみじが、真如堂のもみじの主木だといってもいいかと思いますが、老木となったからか、もうずいぶん長い間、綺麗な紅葉が見られません。それでも、2枚目の裏写真のように、塔を背景にして写真が撮れる絶好のポジションのため、カメラを向ける人がたくさんおられます。
 色は冴えませんし、近づいて見ると葉は痛んでいるのですが、日の光を透かして撮るとこんなに綺麗! 赤一色よりも、いろいろな色が混ざっているほうが深みがあっていいですね。


            御本尊と結縁する人々 / 今日が鉦の総仕上げ   マウスを載せれば写真が変わります
 15日は「十日十夜別時念仏会」の結願大法要がいとなまれて、紅葉に包まれての僧衆や稚児などが色付いた境内を練り歩きました。
 この日に限って、皆さん方には御本尊まで2メートル弱ほどの至近距離から拝んでいただけ、朝一番からご閉扉法要の直前まで、参拝される方の列が続きました。
 法要を行い私たちでも、そんな間近でお姿を拝する機会は、さほど多くありません。ですから、開扉されているお十夜の10日間は、御本尊のお姿を毎日拝める貴重な機会でもあるわけです。
 「また来年・・・」、そう思って、扉を閉めさせていただきました。
 鉦講の方々も、3・4日の練習から、5〜15日の間、毎晩お越しいただいてお勤めくださいました。本当に有り難いことでした。
 今朝、この鉦も土蔵に仕舞い、本堂の前に立っていた回向柱も片付けました。10月の引声法要から‘特別仕様’になっていた本堂内の設えも、‘通常仕様’に復しました。「さぁ、紅葉シーズン!」という感じです。
 ストレスの多いこのシーズンですが、何とか平穏無事に過ぎて、早く落ち葉の季節が来て欲しいと秘かに願っています。



    か  た  つ  む  り   紅  葉  の  中  に  老  い  に  け  り          大串 章