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      フォーリーブスではなく、Autumn Leaves / 花の木と桜の紅葉 マウスを載せれば写真が変わります

 先週と同じく、台風が通り過ぎた後に寒気が流れ込み、一気に肌寒くなりました。つい2週間ほど前までは、最高気温が30度を越える日があって汗をかいていたのに、今日は20度を下回りました。でも、これでほぼ平年並みです。
 台風28号は、幸いなことに京都市内にはあまり影響がありませんでした。ここ数日は少し多目の雨が降り、今日の明け方前までも小雨が降っていました。その‘置き土産’で、境内のあちこちで水が染み出てきたり、小さな流れが出来ていたりしますが、明日には止まるでしょう。
 台風一過の青空を期待していましたが、今日は黒っぽい雲の間から時おり日が差す程度。寒気がもたらした雲でしょうか? 気が付きませんでしたが、車のフロントガラスには細かい雨の跡が付いていました。時雨れたのですね。
 10月もあとわずか。境内も少しずつ色付きを増して、初冬の雰囲気を思い出させてくれます。


               緑と赤がいい! / 百日紅の紅葉       マウスを載せれば写真が変わります
 鉄道会社の紅葉情報が始まりました。そのサイトを見ると、洛東では金戒光明寺、永観堂、真如堂が「色づき始め」。その他の清水寺、青蓮院、南禅寺などは、みな「青葉」となっていました。
 昨日、その取材に来られた方に、「色付いている枝を見ると、どうしてもその写真を撮りたくなってしまいますが、それでは境内全体の雰囲気とは違ってしまうので、全体の雰囲気がわかるような写真を撮ってください」とお願いしました。そういうボクも、やっぱり紅くて綺麗な樹を撮りたくなってしまいます。
 真っ赤も綺麗ですが、こうして緑と赤が混ざっている樹もきれい。墓前回向に行った時、ふと見上げると綺麗だったので、後で着替えて撮りに行きました。
 ‘裏写真’も、墓前回向の時に見つけた、百日紅の木です。日が差した時に撮ろうと思って、雲の様子を眺めながらしばらく粘ったのですが、日は差さず。諦めて他の場所に移動したら差してきて、急いで戻った時にはまた太陽は雲の中。そんなことを3回ほど繰り返した後の、曇天下の景色です。背景は青空ですが、日は差していません。でも、綺麗でしょう?
 今は、「あっ、あそこが紅くなってきた!」という発見と楽しみのある季節です。楽しいですよ!



     台  風  去  る   花  器  に  あ  ふ  る  る   真  水  か  な         大塚千光史




             句碑に彩りを添える石蕗 / 傾いた貴船菊    マウスを載せると写真が変わります
 長い間楽しませてもらった酔芙蓉がほぼ終わり、藤袴も浅葱斑があまり飛参しないまま終わってしまいました。飛参してもらうには、いつまでも暑すぎました。
 ヘブンリーブルーは、葉もほとんどなくなって、ちょっとみすぼらしくさえも見えますが、今日は15輪ほど咲いてくれました。いつ見ても、素晴らしいブルーです。
 去来の句碑の周りでは、石蕗の黄色い花が盛りです。この石蕗は肥料を与えると巨大化してしまうので、今年は‘飢餓状態’にして、少しでも侘びた雰囲気に仕立てようとしましが、元来が大きくなる性のようでした。
 貴船菊(秋明菊)も少し盛りを過ぎてきました。自坊の前庭では、ピンクの八重の貴船菊が倒れ込みつつも咲いています。コスモスもいいですが、やっぱり貴船菊のほうが、倒れても情趣深い気がします。


             炉開きの花と蝿 / 野趣溢れる野路菊     マウスを載せれば写真が変わります
 本堂の裏にはお茶の木の垣根がありますが、今が花盛り。今年はかつてないほど花付きがよく、首からポトリと散った花が砂利の上にたくさん落ちています。
 お茶の花の色をピンクにしたようなのが、この「炉開き」。椿と茶の交配種です。拝観順路の中ですが、真如堂の職員でさえわからない場所に、ひっそり咲いています。
 2年ほど前に植えたもので、この木も今年は花付きがいいようです。お茶の木系統の開花には適した気候だったのでしょう。
 さぁて、野路菊が咲き始めました。まだほんのわずかですが、これから順次咲いていきます。
 境内には野路菊が100株以上あるでしょうか? もとは2〜3株ほどでしたが、毎年挿し芽をしてここまで増やしました。もう植える場所がなくなったので、挿し芽は打ち止めです。
 野趣があって、清楚で、可憐な野路菊。紅葉で‘満腹’になったら、この花を見るに限ります。紅葉ばかりに目が向いてしまいがちですが、案外、いろいろな花が咲いている今の季節です。
 ゆっくり散策されるなら、「今でしょ!」 紅葉前にお越しください。




     茶   の   花   の    咲   く   ま   で   忘   れ   ら   れ   し   径         小川笹舟