10/17版
台風が通り過ぎて、また一気に涼しくなり、今朝はこの秋一番の冷え込みとなりました。つい先日までの暑さが嘘のようです。
昼間などはそれほど紅いとは思いませんが、お天気のいい夕方、西日が差して葉を透かし始めると、「こんなに紅かったの!」と驚くほど色付いています。 紅葉の美しさは、葉の紅さと太陽の光の共同作業。いくら葉が紅くなっても、それだけでは決して美しくは見えません。 刻々と沈みゆく日の光、美しく照らし透かされた葉、その一瞬に立ち会えた自分。同じ景色には二度と出会えないという唯一無二の瞬間。そう思いながら、景色に引き込まれていくうちに、日が傾き、景色が変わっています。 緑と紅、両方の景色が楽しめるのが今の季節かも知れません。そして、その移り変わりを毎日楽しめるのは、とてつもない‘特権’だと、有り難く思います。 木 に は 木 の 人 に は 人 の 秋 の 暮 原田 喬
今年はいつまでも暑かったせいか、例年よりも遅く、ようやく十月桜が咲き始めました。 桜の帰り花が咲いているという話を今秋も何回か聞きましたが、これは帰り花ではなく、本来咲く時期に開花している‘真っ当な’花。だからこそ、「十月桜」の名が付いているわけです。 珍しくはありますが、花は小さく、ポツリポツリと次々咲いていくため、あまり存在感はありません。これからずっと咲き続け、4月には今よりも少し大きな花を咲かせます。 酔芙蓉の花もそろそろ終盤。花が小さくなってきました。 冬に切り戻した枝が、夏を迎える頃には、株によっては3メートル以上にも育つのですから、その成長力には驚かされます。ただ、今年のように台風が度々やってくると、風に煽られて枝が避けたりしないかと、その都度心配です。 花泥棒にピリピリした時期もありましたが、長い間、朝な夕なに楽しませてもらいました。霜降の頃にはお別れでしょう。 気が付けば、10月も半ばを過ぎました。お風邪を召されませんように、ご自愛ください。 屋 根 を と ぶ 猫 の 鈴 澄 む 十 三 夜 増田富子
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