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                静まりかえった境内 / 涼しげな緑陰      マウスを載せれば写真が変わります

 大気の状態が不安定で、晴れてると思っていたら、急に黒い雲に覆われたりと、お天気が定まりません。「今日は大丈夫!」と思えるような日がありません。
 一時期、少し暑さがやわらいでいましたが、また35度を上回るようになってきました。32、33度と35度超では、暑さの質が体感的にも違うような気がします。
 同年配以上の方とは、「昔は、せいぜい30度ちょっとでしたねぇ。36度、37度なんて、ありませんでしたのに・・・」と、今の酷暑を歎いています。
 気温が上がると、午後からの、急な雨や雷雨の可能性が高まってきます。それも、傘も役に立たないような驟雨だったり、竜巻だったりと、明らかに気候が変わったように思えます。竜巻なんて、映画やテレビでしか見ませんでしたのに・・・。
 酷暑の境内は、訪れる人もまばら。拝観をされる方もわずかで、思わず受付係の人に「今日は2桁になりましたか?」と尋ねるほどです。
 クマ蝉の声がうるさいほど聞こえてくる中、奇妙な啼き方をする鴬が一羽、艶のある喉を聞かせてくれています。


       花に足をとめることもなく先を急ぐ人 / 色とりどりな木槿   マウスを載せれば写真が変わります
 毎週、木槿の写真ですが、今咲いている花はこれしかありません。木槿は、近年の中でも一番よく咲いています。
 駐車場付近に咲いているので、わざわざ足を止めてまで見る人はわずか。じつに綺麗なのに、もったいないことです。
 花期は長いですから、お越しになった折には、この炎暑の中を咲き続けている木槿を、ぜひとも愛でてやってください。
 期待をしていた茶所前の西洋朝顔ヘブンリーブルーが、ここ数日の間に一部枯れ始めました。こんな症状は今年で3年目です。こうなった時のために用意してあった予備の苗のプランターを側に置いたりして、今年こそ何とか咲かせたいと頑張っています。
 今日は種苗メーカーに電話をして症状を説明し、枯れた苗や、茎を縦や横に切断した断面の写真などを送りました。少しでも原因がわかれば来年に備えられるのですが、今のところ種苗メーカーも、「新しい病気かも知れません」と首を傾げています。
 毎日が心配の連続のヘブンリーブルーの栽培ですが、うまく行けば、あと2週間ほどで初咲きが見られます。後は祈るばかりです。



       念  力  の   ゆ  る  め  ば  死  ぬ  る   大  暑  か  な         村上鬼城





      掛け軸の中で僧の説明を聞く / 「決定往生之印」を受ける人  マウスを載せると写真が変わります
 毎年7月25日は、真如堂の宝物虫払会です。約200点の掛け軸などを本堂にズラッと吊して、土用の風を通し、虫を払う恒例の行事です。
 一番古い掛け軸は平安時代? 鎌倉時代は確実。昭和のものまで年代は様々。書、絵画、記録など、その質も玉石混淆。並べ方も順不同。
 本堂の一角では、安倍晴明が閻魔王から拝領したと伝わる「決定往生之印」が、貫主より授与されます。実際にその印を額に当ててもらって授与されるのは、この日一度だけ。宝物はそっちのけで、このために毎年お越しになる方もおられます。掛け軸だらけの中、ちょっとディープな雰囲気です。
 朝早く、長持に入った宝物を土蔵から搬出。展示して、また土蔵へ収納する頃には、汗だく、ヘトヘトの、体を使ったお盆前の一大行事です。
 にわか雨などお天気が心配されましたが、最高気温36.8度の中、今年の虫干も無事に終わりました。さて、いよいよお盆が近づいて来ます。
 向こう1ヶ月は、平年に比べて晴れる日が多く、暑くて降水量が少ないようです。どうか、皆さん、体調管理を万全に!  




       贋  作  と   き  ま  り  た  れ  ど  も   土  用  干          大橋櫻坡子