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                   炎暑の日、わずかに人影を見る     マウスを載せれば写真が変わります

 近畿地方は、中国、四国、東海、九州と共に、8日、梅雨明けしました。近畿、中国は平年よりも13日、四国は10日早く、近畿は1951年に統計を取り始めて以来、2011年と並んで3番目に早い梅雨明けとなりました。
 その報を待っていたかのように、8日以来、ずっと気温はほぼ37度。痛いほどの陽の光が照りつける酷暑の日々で、連日の熱帯夜です。
 奈良や和歌山の一部の地域では、梅雨の間の雨量が平年を上回ったそうですが、京都はたっぷり降ったという実感がまるでありません。鴨川の水位はかなり低く、日に日に川底が見えやすくなっているようにも思えます。
 「木の下闇 」という季語があります。 木が茂ってその木陰が暗いことで、例年は梅雨の時期によくそうなりますが、今年はまったくと言ってもいいほど、そんな情景には出会いませんでした。


            日陰に入って生き返る / 造作中の新しい小径     マウスを載せれば写真が変わります
 境内の木々も、弱っていたもみじなどは紅葉したかのように葉の色が変わり、‘SOS’のサインを出しています。例年見られることですが、今年はその現れ方が顕著。この夏を越せずに枯れてしまうものもあるでしょう。
 この暑さでは、境内を歩く人もほとんどおられません。拝観者はここ数日、一桁の連続。秋しかご存じない方は、その閑散とした様子にビックリされることでしょう。
 観光客は、みんな祇園祭へ行っておられるのでしょうか? いよいよ鉾も山も建ち揃ってきて、曳き初めなども行われています。見に行っているのはほとんど観光客。京都の人は、関係者かよほどお好きな方以外、暑さと人混みを押してまでも祇園祭には行きません。境内でも暑いのですから、街中は推して知るべしです。




       昼   寝   猫    袋   の   如   く    落   ち   て   お   り         上野 泰





          涼感を呼ぶ? ミストシャワー / 試行錯誤中のオブジェ マウスを載せると写真が変わります
 「暑い!」とばかり言ってはいられません。たとえわずかでも、この暑さを押して来てくださる方がおられるのですから。
 そんな‘貴重な’来訪者を心からお迎えするために? 今日は2つの‘仕掛け’を作りました。一つはミストシャワー装置、もう一つは「随縁の庭」のオブジェです。
 ミストは、正面参道脇のトイレ付近に設置。‘ミストシャワー装置’といっても、通販で買ったものを竹竿に付けただけですが、水の霧が風に揺らぐ様子は涼感いっぱい! 効果は? まぁ、多少は涼しいかも知れませんが、‘見た目’重視です。
 オブジェは、庭の平石の上に水を張った花器を置いて、そこに浮き玉を浮かべてみました。
 以前から、庭を設計していただいた重森先生より、「平らな石の上に花器などをおいてみたら面白いですよ」とアドバイスをいただいていたのを実行しました。生花などでは枯れてしまうので、涼感重視で浮き玉を。浮き玉が足りないので、今日、職員さんがホームセンターに買いに走っています! 先生のダメ出しされるかも・・・。
 酷暑を乗り切るには遊びっけも重要! まずはボクが楽しませていただいています。


            種類の多い木槿 / 暑い夏の清涼剤のよう    マウスを載せれば写真が変わります
 紫陽花もほぼ終わったので、順次、整枝・剪定をしています。すべては、来年のため。新しく作った本堂裏の紫陽花園も、来年はきっとよくなるでしょう。「よくなれ、きれいになれ」と念じながら、チョッキン、チョッキンです。
 皆さんの中で、鉢植えの紫陽花の処分にお困りの方がおられましたら、ぜひともお送りください。名札付きで、紫陽花園の‘メンバー’の一員に加えさせていただきます。
 さて、今の見どころは総門内側の木槿。開花する花の種類は、先週よりもまた増えました。
 暑い中、鮮やかな花を楽しませてくれる木槿には、心から感謝です。見頃はまだこれから。9月頃までの長きにわたって楽しめます。
 本堂付近で帰ってしまわれないで、総門まで足を運んでください。花の前での記念写真もいいですよ。
 暑さも明日からは少し一段落の様子。とにかく、雨が欲しいです。夜の間にたっぷり降って、大地を潤してください!
 炎暑の夏、どうか皆さんご自愛ください。




        夏  鶯   さ  う  か  さ  う  か  と   聞  い  て  遣  る         飯島晴子