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           雨を蓄えるもみじの種 / 緑滴り枝垂れる   マウスを載せれば写真が変わります

 天気予報よりも少し早く、9時半頃から雨が落ち始め、しばらくすると本降りに。降ったり止んだりで、激しく降ることはありませんでした。
 相変わらず、気温のアップダウンの激しい日々です。昨日など、最低気温が8.6度、最高気温は一気に30.2度と、20度以上も違いました。今日は雨ということもあって、最高気温は21度止まり。
 「毎年、こんな天気でしたか?」「地球がおかしくなっているのでしょうか?」と尋ねる方もおられますが、ボクに尋ねられても・・・。
 安定したイメージのある5月の空。でも、初夏のあたたかい空気と冷たい空気がぶつかり合うこの季節は、天気が急激に変わります。急速に発達する5月の低気圧を「メイストーム」と呼んで、激しい雷や突風とともに"ひょう"が降ったり、海や山が大荒れの天気となることもあります。‘せめぎ合い’が終わらないと、本当に安定したお天気にはならないのですね。
 いまは草木も育ち盛りで、少しでも水が欲しい季節です。今日の10日ぶりの雨は、植物にとっては恵みの雨といえるでしょう。夜の間に、もう少したっぷり降ってくれるとなおさら有り難いです。




      雨   上   り   新   樹   の   雨   滴   光   る   朝           稲畑汀子






吉祥院前の大つつじの見頃はこれから / こんな花です‘なんじゃもんじゃ’ マウスを載せれば写真が変わります
 桜の開花は記録的に早かった今年ですが、その後の花の開花具合などを見ていると、逆に例年より遅れ気味な気がします。4月の気温が平年よりも低かった影響でしょう。
 吉祥院の門前の大きな平戸つつじは、例年ですと連休頃に見頃になるのですが、今年は去年に引き続いてようやく見頃になって来ました。
 この前を通った人が、「すごく甘い匂いのするつつじですねぇ」とおっしゃっていましたが、香りの主はこのつつじの裏にあるは唐種招霊(からたねおがたま)です。
 本堂裏の薬師堂の横の‘なんじゃもんじゃ’の花も、例年は5月の連休に見頃を迎えるのですが、今年はようやく見頃になってきました。気候が不順で調子が狂っているのは、人間だけではないのですね。
 なんじゃもんじゃの花は木の高いところで咲いていますが、もうしばらくすると、木の下が散った真っ白な花びらで美しく彩られます。それもまた楽しみです。


       大岩の前の姫シャガと姫うつぎ / 墓碑を包むバラの花 マウスを載せると写真が変わります
 新緑の境内では、いろいろな花が咲いています。
 卯の花(うつぎ)はまだ咲き続けていますが、その仲間の‘うつぎ’たちも順繰りに咲き出しました。
 卯の花はユキノシタ科ですが、その他にも‘うつぎ’と名の付いた、他の科の木々がたくさんあります。たとえば、バイカウツギやノリウツギは同じユキノシタ科、タニウツギやハコネウツギはスイカズラ科。花や葉が似ているので、同じ名前が付けられたのでしょうか?
 本堂の北側辺りで咲いているのは姫うつぎです。元三大師堂の向かい辺りでは、洋種のうつぎが咲き始めていますが、名前がカタカナだったので忘れてしまいました。いずれも清楚でかわいい花です。
 墓地の一角では、素敵なバラが咲いていました。毎年、たくさんの花を咲かせてくれるのです。
 そのお墓は明治時代に建てられた古いものです。種がこぼれて生えたということはないので、薔薇が好きだった埋葬者のために誰かが植えたのでしょうか? 明治時代の古株には思えませんが・・・。でも、こんな綺麗な薔薇が毎日次々と咲くのですから、周りのお墓の故人たちも喜んでおられるに違いありませんね。
 これからは緑の色も次第に濃くなっていきます。樹の下で、薫風を感じながら、誰にも邪魔されずにゆっくり過ごすのは最高です。
 ポット持参で紅茶でも入れ、クッキー食べながら読書。いいですよぉ〜




     押   さ   へ   て   も   ふ   く   ら   む   封   書   風   薫   る          八染藍子