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晴れているかと思ったら、急に黒雲が出てきて強い風と雨。また急に雲が晴れて日が差したりと、目まぐるしくお天気の変わった日でした。最高気温は19.8度でしたが、体感的にはもう少し低く感じました。
隣り合ったもみじでも、葉の色や大きさが少し違ったりしますし、かえでともみじでもかなり異なります。 また、冬を越して新しい葉を広げることが出来た枝と、葉を広げようとしたものの力尽きて芽吹きの状態で止まってしまった枝、芽吹きさえ出来ずに枝が枯れ色になりつつあるものなど、明らかなその差を見せつけられるのも今の季節です。 境内を少し歩くだけで、たくさん目にする枯れ枝を、「ここまで頑張ったのに残念だったねぇ」とでも声を掛けながら、鋏や鋸で取り除いていきます。1年を掛けて木々の世話をしている者にとって、春はちょっと辛い季節でもあります。 な つ か し き く ね く ね 道 や 風 光 る 市野沢弘子
1〜2日見に行かないと、「えっ、いつの間に咲いたの!」ということも多く、人に「咲いてますね」などと言われて、慌てて見に行くこともあります。自坊の庭の花でさえ。 去年はほとんど咲かなかった自坊の花水木も、今年はたくさんの花を咲かせています。 100年前、東京市長がワシントンD.C.へ桜を贈った答礼として日本に渡来した花水木。今では、桜の花の終わった後にあちこちで咲いているのを見かけるようになりました。 今、境内で咲いている花を見ても、シャガやレンゲ草(ゲンゲ)は中国原産。花水木は北アメリカ。日本の固有種だと思っているものでも、実は外国種ということが多くあります。‘バター臭い’と思う花でも日本原産であったり、見かけだけではまったくわかりません。 そんなことかまわずに、境内の景色に馴染むものなら何でも植え続けていますが、春はそんな草木の‘成績発表’の季節でもあります。
一昨年、通販で取り寄せて数か所に分けて植えたのですが、場所によってはすごく増え、花期もそれぞれ結構違います。環境に左右されやすいのかも知れません。 自坊前の卯の花も咲き始めました。 「卯の花腐し」という、卯の花を朽ちさせるほど長く降り続ける雨、走り梅雨を意味する言葉がありますが、実感としてはそれよりも早く咲いて散ります。 新緑の中にこの白く小さい花がいっぱい咲いて風に揺られる様子は、何とも春らしい情景です。それに惹かれ、数年前に苗を10株ほど買って、本堂の近くに植えました。なかなか大きくなりませんが、蕾が付いていて、間もなく咲き出すでしょう。 「あれはどうなっているだろう?」と、自分の手を掛けたものを見て回るだけでも時間が掛かりますが、ワクワクドキドキする至福の時でもあります。春は楽しみが多いです! さぁ、連休の人混みを避けて、みずみずしい新緑溢れる境内へお越しください! 卯 の 花 に 風 の は げ し く な る も よ し 細見綾子
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