4/19版 




                        日々新しき境内       マウスを載せれば写真が変わります

 風が強く、寒〜い日でした。最低気温は昨日とそれほど変わらないのですが、最高気温は12.5度も低め。お彼岸の頃の気温でした。風が強いので、体感気温はさらに低く感じられました。
 でも、お天気は快晴! 風に煽られたもみじの新緑が、陽を受けてなおいっそう綺麗でした。
 境内を訪れる人の数は、桜の頃と比べると、グッと少なくなりました。でも、境内に咲く花の数は、今のほうがずっと多く、いろいろな種類の花があちらこちらで咲いていますし、新緑の美しさは文章でも写真でもお伝えしきれません。
 昨日の夜のNHKローカルで、もみじの花が開花している境内の様子が放映されました。普通なら、それを見た人がたくさん訪れるのですが、今日はまったく波及効果ナシ。もみじの花はあちこちで見られるからなのか、寒いからなのか・・・風の舞う、人影の少ない境内でした。


          まだ赤きもみじの梢 / 翼果いっぱいの花の木  マウスを載せれば写真が変わります
 そのもみじの花は、ピークを過ぎて散り気味ですが、まだまだ梢の色が変わるほどたくさん付いています。
 昨日取材に来た委託記者から、「これは‘もみじ’ですか? ‘カエデ’ですか?」と聞かれたので、かなり丁寧に蘊蓄を披露して差し上げたのですが、放送では‘カエデ’と紹介していました。違和感あるなぁ・・・。
 もみじの下を歩いてきた人の髪の毛や服には、必ずといっていいほど花粕が付いています。こんな時だけは、「スキンヘッドでよかった」と思います。
 桜の蘂も落ち始め、もみじの花粕と桜の蘂で、参道が赤く染まっているところさえあります。ボクの車は、ワイパーのところに粕が溜まり、屋根も花粉や黄砂と粕で色が変わっています。この季節が終わるまで洗車をしても仕方ありません。
 本堂前の「花の木」はサッサと花を終えて結実し、最初は赤かったその種の色がだんだん薄くなってきています。そして、ようやく新しい葉が吹いてきました。同じカエデ科でもかなり手順が違います。
 今日は松の木も花粉を大量に飛ばしていて、「煙?」と思うほどでした。風の強い今日の空には、他にもいろいろなものが飛んでいたことでしょう。




    会  ふ  こ  と  の   か  な  は  ざ  る  日  々   花  は  葉  に        西山春文






            鐘楼越しの八重桜 / 見上げれば紫なる藤の花  マウスを載せると写真が変わります
 鐘楼周りの八重桜も散り始めました。鐘楼の基壇や周りの墓地は、ピンクの花びらだらけ。八重だけに、散る花びらの数も半端ではありません。
 本堂南側の藤も咲き始めました。
 紫色が目を惹くので、「あっ、藤が咲いている!」と気が付く人は多いのですが、近付いてまで見る人はいません。なぜなら、この藤は房が短く、少しも垂れ下がって来ないからです。
 「これは登り藤やねぇ」という人もいます。「登り藤」という家紋はありますが・・・。
 長く垂れ下がる種類の苗を買って植えましたが、まだ一度も咲いてくれません。今年もダメだったので、早々と「来年こそ」と期待しています。
 それにしても、いい色ですねぇ〜。


              清く白い山吹の花 / 一面にシャガの花   マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の前は、あっという間に白山吹の花盛りになりました。素朴で清楚な花です。
 もらった1株を種で増やし、いまでは10株以上はあるでしょう。種を蒔いて発芽させて、人に差し上げたりもしています。
 シャガもあっという間に花盛りです。これももとは1株でした。
 シャガは強健で繁殖力も旺盛で、冬でも葉が枯れず、土留めやグランドカバーにもなるので、境内のあちらこちらに移植しています。環境が合うところでは、あっという間に増えてくれるので有り難いです。花も可愛いです。
 自坊の前では、レンゲ草も咲いてきています。規制の縄を張っていたのに誰かが入ったようで、結構倒されてしまいました。
 境内では、馬酔木、どうだんつつじ、いろいろな椿、花桃、まだ小さい木ですが常盤まんさくや赤花瓢箪木、平戸つつじなど、たくさんの花が咲いています。
 明日は穀雨。そろそろ雨が多くなってくる頃でしょうか。雨が草木が育ててくれると思うと、少し待ち遠しくも思えます。




      わ  す  れ  菜  も   み  な  花  も  ち  て   春  深  し          立花豊子