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              桜よりも新緑が優位 / 微妙な色合いの境内    マウスを載せれば写真が変わります

 暑いお花見日寄りとなりました。
 今日の最高気温は26.5度。少し動いても汗ばむほどでした。
 明日・明後日は大荒れの天気とか。天気予報では「無用な外出は控えてください」などと告知していますが、「‘無用な外出’なんてないだろう・・・散歩だって、本人にとっては‘無用’じゃないし・・・」と、つい突っ込みたくなります。
 そんな天気予報を聞いて、「お花見をするのなら、今日が最後」と大勢の人が人が思ったのでしょうか。今日は平日というのに、多くの人が境内にお越しになりました。また、京都御所の特別公開も重なってか、京都市内はあちこちで大渋滞でした。


           花芯が赤くなってきた染井吉野 / 光のどけき・・・ マウスを載せれば写真が変わります
 境内のあちこちでは、風が吹く度に桜吹雪。「わぁー」という歓声が聞こえたり、花びらを両手でつかまえようとする‘妙齢’の女性がいたりで、春爛漫の日らしい雰囲気に包まれていました。
 咲き始めた頃は淡いピンクだった花も、しばらくすると中心部が赤くなってきます。終わりが近いサインです。明日、雨が降れば、たくさんの花びらが澱みに溜まったり、水路を勢いよく流れて行ったりするでしょう。咲いている時ばかりではなく、そんな景色もまた趣のあるものです。
 今年はずいぶん早く咲き始め、あっという間に散ってしまうのではないかと案じましたが、結構長い間楽しませてもらえました。桜の第一段、染井吉野の見頃は今日で閉幕です。


                鐘楼脇の桜(品種不明) / 山桜      マウスを載せると写真が変わります
 桜の第二段は、もうしばらくすると鐘楼の周りにやってきます。八重の「関山」も蕾がほころんできました。先陣を切って、小振りな一重の桜が咲き始めています。
 関山は重たそうなほど花弁の重なる濃いピンクの八重。見るからに豪華な桜です。
 染井吉野が流行る前は山桜が主流でしたが、今の境内には「あそこと、あそこ」と数えられるほどしかありません。葉が開くと同時に開花するので、遠目にも、花に詳しくない人でも染井吉野と区別できます。
 染井吉野に‘満腹’になったら、山桜を見るに限ります。野生種の素朴さがしみじみと美しい花です。
 幕は替わって、もうしばらく境内の桜の見頃は続きます。




     空   を   ゆ   く    一   と   か   た   ま   り   の   花   吹   雪          高野素十





              桜、もみじ、花の木 / もみじの花      マウスを載せれば写真が変わります
 境内全域を席巻しつつあるのは、もみじの新緑です。最初の写真でもおわかりになるように、もみじのまだ開き切っていない新芽が、場所によっては桜よりも目立つようになってきました。
 緑の中に点々と赤く見えるのは、もみじの花です。新芽を出すと共に、花を咲かせているのです。
 1週間前は、わずかなもみじが新芽を出し始めただけだったのに、今日はほとんどのもみじが芽を吹き、花を咲かせています。今の時期は、日に日に景色が変わっていくので、目が離せません。
 鴬も1日中啼いています。啼き方も、かなり上手になりました。
 「ホーホケキョ」という囀り。優雅に聞こえますが、実は鴬の雄は雌を獲得するのに必死。雄は縄張りをパトロールしながら盛んに囀り、他の雄に対して自分の縄張りを主張すると共に、雌に対して「ここで巣を作りませんか」と呼びかけているのだそうです。
 ちなみに、「ホーホケキョ」にも高い声の時と低い声の時があり、低い時は他の雄が縄張りに侵入してきた時の威嚇の鳴き方なのだとか。
 そう思って聞くと、ただの優雅な囀りではない、鴬の必死さが伝わってくる気がします。


          黄金色に揺れる山吹 / レンゲ草もいいですねぇ  マウスを載せれば写真が変わります
 先週はわずかに咲いているだけだった山吹も、今日はもう盛り。黄色い花が風に揺れて、とても綺麗です。
 この冬、北参道脇の斜面に、山吹の苗を100本ほど植えました。まだ大きくなっていませんが、立派に花を咲かせているものもあります。数年後の春、北参道は黄金色に包まれるでしょう。楽しみです。
 レンゲ草の花も咲いてきました。総門内の駐車場脇の木槿の花壇の中、吉祥院の前庭、本堂の裏などに、赤紫の花が目立ってきました。品種の違いか、肥料が効いているのか、普通のレンゲ草よりも背が高い気がします。いい感じです。
 シャガの花も咲き始めました。境内の所々に土留めやグランドカバーとして移植しましたので、これからは境内でご覧になる機会も増えるでしょう。繁殖力は旺盛ですが、花は控え目です。
 椿もいろいろな種類が咲いています。馬酔木もまだ見頃。境内のあちらこちらで、いろいろな花がご覧になれます。
 さぁ、新緑の境内も間近です。桜が終われば人もまばら。ゆっくりとお楽しみください。




   吾   も   春   の   野   に   下   り   立   て   ば   紫   に          星野立子