4/5版
暑いお花見日寄りとなりました。
咲き始めた頃は淡いピンクだった花も、しばらくすると中心部が赤くなってきます。終わりが近いサインです。明日、雨が降れば、たくさんの花びらが澱みに溜まったり、水路を勢いよく流れて行ったりするでしょう。咲いている時ばかりではなく、そんな景色もまた趣のあるものです。 今年はずいぶん早く咲き始め、あっという間に散ってしまうのではないかと案じましたが、結構長い間楽しませてもらえました。桜の第一段、染井吉野の見頃は今日で閉幕です。
関山は重たそうなほど花弁の重なる濃いピンクの八重。見るからに豪華な桜です。 染井吉野が流行る前は山桜が主流でしたが、今の境内には「あそこと、あそこ」と数えられるほどしかありません。葉が開くと同時に開花するので、遠目にも、花に詳しくない人でも染井吉野と区別できます。 染井吉野に‘満腹’になったら、山桜を見るに限ります。野生種の素朴さがしみじみと美しい花です。 幕は替わって、もうしばらく境内の桜の見頃は続きます。 空 を ゆ く 一 と か た ま り の 花 吹 雪 高野素十
緑の中に点々と赤く見えるのは、もみじの花です。新芽を出すと共に、花を咲かせているのです。 1週間前は、わずかなもみじが新芽を出し始めただけだったのに、今日はほとんどのもみじが芽を吹き、花を咲かせています。今の時期は、日に日に景色が変わっていくので、目が離せません。 鴬も1日中啼いています。啼き方も、かなり上手になりました。 「ホーホケキョ」という囀り。優雅に聞こえますが、実は鴬の雄は雌を獲得するのに必死。雄は縄張りをパトロールしながら盛んに囀り、他の雄に対して自分の縄張りを主張すると共に、雌に対して「ここで巣を作りませんか」と呼びかけているのだそうです。 ちなみに、「ホーホケキョ」にも高い声の時と低い声の時があり、低い時は他の雄が縄張りに侵入してきた時の威嚇の鳴き方なのだとか。 そう思って聞くと、ただの優雅な囀りではない、鴬の必死さが伝わってくる気がします。
この冬、北参道脇の斜面に、山吹の苗を100本ほど植えました。まだ大きくなっていませんが、立派に花を咲かせているものもあります。数年後の春、北参道は黄金色に包まれるでしょう。楽しみです。 レンゲ草の花も咲いてきました。総門内の駐車場脇の木槿の花壇の中、吉祥院の前庭、本堂の裏などに、赤紫の花が目立ってきました。品種の違いか、肥料が効いているのか、普通のレンゲ草よりも背が高い気がします。いい感じです。 シャガの花も咲き始めました。境内の所々に土留めやグランドカバーとして移植しましたので、これからは境内でご覧になる機会も増えるでしょう。繁殖力は旺盛ですが、花は控え目です。 椿もいろいろな種類が咲いています。馬酔木もまだ見頃。境内のあちらこちらで、いろいろな花がご覧になれます。 さぁ、新緑の境内も間近です。桜が終われば人もまばら。ゆっくりとお楽しみください。 吾 も 春 の 野 に 下 り 立 て ば 紫 に 星野立子
|