3/2版 




                   晴れたり雪降ったりの浅春の境内     マウスを載せれば写真が変わります

 春を思わせるあたたかい日から一転して、今日は時おり雪の舞う日となりました。青空が出てあたたかい陽の光が差してきたかと思ったら、急に陰って雪が舞う。1日中そんな天気でした。風もあって、歩いている人が少し足早に見えました。
 1日に気象庁が発表した今冬(12月〜2月)の天候によると、沖縄・奄美を除き全国的に「寒冬」だったとか。「寒冬」とは、北日本では冬季3カ月間の平均気温が平年より0・4度、東・西日本では0・2度下回った時にいうそうで、北・東日本は2年連続、西日本は3年連続の寒冬になりました。
 それでも、もう3月。日が長くなり、陽の光の色が変わり、草木の色にも少し彩りが出てきたように思います。
 観光客の少ない季節に来ていただこうと行われている「京の冬の旅― 非公開文化財特別公開 ―」も、あと2週間ほどで終わり。逆に言えば、呼び込まなくても人が来てくださる季節がやってくるということです。春の近付きと共に、もうすぐ閑散期も終わりです。


                古色も鮮やかな大涅槃図         マウスを載せれば写真が変わります
 紅葉期以外は閑散期とも言える真如堂ですが、3月を迎えた境内は、他の寺よりも早く、観光客の数が急増します。
 2月の拝観者数は、土・日でも20人程度ですが、3月初めての土曜日の今日は150人ほど。
 拝観者急増の理由は、3月1日から大涅槃図の特別公開が始まったからです。
 一昨年修復を終えた大涅槃図は、見慣れている私たちが見ても、色鮮やかでとてもきれいです。また、涅槃図にまつわる多くのエピソード。描かれている羅漢や天部、動物、鳥、魚、は虫類、虫などの数の多さと表情の多様さなど、いくら見ていても見飽きません。
 そして、雑誌などで紹介されるときには必ず言及される「花供曽はなくそ」という奇妙なネーミングのお供物付き。食べるものの誘惑は、特に女性には‘効果絶大’です。
 間違いなく「一見の価値あり」の大涅槃図。ぜひともお参りください。





     三   月   の   声   の   か   か   り   し   明   る   さ   よ        富安風生





                花色見える山茱萸 / 白梅と塔      マウスを載せると写真が変わります
 今日は最高気温が7.4度しかありませんでしたが、27日は14度、28日は15.9度もありましたので、山茱萸さんしゅゆくの蕾も一気に膨らみました。
 といっても、1本の木だけが際立って早く蕾が膨らんでいて、他の木は気配もありません。今年植えた洋種の山茱萸も蕾固し。去年、山茱萸の回りの桧や杉の枝打ちをして、その木の日当たりが改善されたのでしょうか?
 自坊の前でも、紅梅が盛りを少し過ぎ、白梅がよく咲いて来ました。
 職員さんが北野天神さんに梅を見に行こうと問い合わせたら、見頃はまだ先だと言われたそうです。例年なら2月下旬から3月中旬が見頃だそうですので、やはり少し遅れているようです。
 来週は日に日に気温が高くなっていきそうです。蕾も一気に膨らんでいくでしょう。散歩をしたら少し汗ばむような日さえありそうです。
 5日は啓蟄。さて、本格的な春間近! 花粉と中国からの飛来物にご注意の上、お楽しみください!




   木   蓮   の   芽   を   ふ   ち   ど   り   て   日   の   ひ   か   り       長谷川素逝