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            光の色に春感ず / 春を届ける「太郎冠者」     マウスを載せれば写真が変わります

 今朝も、蓮鉢にはかすかに氷が張っていました。
 この1週間も雪がちらつくことが多く、朝は屋根がうっすら白くなっている日が数日ありました。立春を過ぎてから、雪が舞うことが増えた気がします。
 平年では、18日頃から最高気温が10度を越え始めるのですが、この1週間は10度を越えた日が1日もありません。
 でも、朝、明るくなるのが早くなり、夕方、暗くなるのも遅くなりました。1日が長くなったように思えて、ずいぶん得をした気分です。
 光の色も変わって来た気がします。少しあたたかみを帯びてきたような気がしませんか? そして、それを見ると、ちょっとうれしくなってきたりしませんか?
 今の時期、どこかに春の訪れの兆しがないかと、あちこちを探してしまいます。




      雪  便  り  な  ほ  あ  り  つ  ゝ  も   日  脚  伸  ぶ          浅井青陽子





        気が付けば早三分咲きの紅梅 / 山茱萸の蕾割れる マウスを載せれば写真が変わります
 春の訪れを木々で探すといえば、何をおいても梅の花ではないでしょうか?
 「探梅」は、冬に早咲きの梅を求めて山野に出掛けることで、冬の季語ですが、季節的には今頃がふさわしい気がします。
 先日、東京へ行った時、増上寺の境内では何本もの梅が咲いていました。早咲き種なのかも知れませんが、東京のほうがあたたかいのだなぁと思いました。
 境内の梅はまだほとんど咲いていませんが、自坊の前の紅梅だけがようやく3分咲き頃になりました。
 近所の人から、「山茱萸さんしゅゆく がもうすぐ咲きますね」と写真付きのメールをいただきました。
 例年、山茱萸の花の盛りは3月10日頃。「まだ早いだろう・・・」と思いましたが、写真では、蕾から黄色い花色が覗いていました。今日、見に行くと、確かに少し黄色が見えていました。例年、一番最初に咲く枝は、今年はほとんど蕾が付いていませんでしたが・・・。
 植物は、気温が上がってくると花を咲かせるのでしょうか? 桜などはそのようですが、多くの植物は、気温よりも夜の長さを感知して、開花時季を測っているのだそうです。では、どこで? 常緑樹なら葉っぱ、球根でも感知するそうですが、落葉樹はどこで感知するのでしょう? 蕾でしょうか?
 これは、地下鉄はどこから入れたかという疑問より難しそうです。ネットで延々と調べてしまいそうです。


             綺麗な中にも策ありて / 白壁に映った春色   マウスを載せると写真が変わります
 他に今咲いているのは、寒椿、馬酔木、水仙。馬酔木や水仙は、これからどんどん咲いていきます。
 「もっと、何かないかなぁ」と探していたら、苔が何かを伸ばしているのを見つけました。「|さく 」です。この中には胞子がたくさん詰まっていて、湿度などの条件が合うと、|の蓋が開いて、中から胞子が出てきます。苔はもうしっかり繁殖の準備をしているのです。
 今日は作業着を着ていたので、思いっきり寝転んで写真を撮りました。いい気持ち!
 ハコベや仏の座は花を咲かせていました。だんだん小さい花が見づらくなって来ました。トホホ。紫陽花は新芽を出し、早くも葉を広げているものもありました。去年植えた紫陽花、今年はまさしく‘成長株’です。
 ふと見た土蔵の白壁に写った桧の太い幹ともみじの細い枝の影は、モノクロながらも、浅き春の到来を思わせるのに十分でした。
 今日は‘猫の日’。猫にも春がやって来たのか、最近ちょっとにぎやかです。
 風邪を引いている人が多いようです、まだまだ十分にご用心ください。




        去  勢  の  猫  と   去  勢  せ  ぬ  僧   春  の  日  に         金子兜太