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                 光は春、写らない風は冬      マウスを載せれば写真が変わります

 立春を過ぎ、日が長くなっていくのを実感できるようになってきました。
 「節分の頃にはいつも雪が降ったりするのに、今年はビックリするほど温かかったですねぇ」などという会話を、ここ数日よく交わしました。京都の人にとって、節分や立春の頃は、「雪」「寒い」というイメージなのでしょう。あたたかくて晴天だったのに驚かれているのでは、天気もなんだか可哀想です。
 その後も例年よりも寒さが弛んでいましたが、今日は一気に寒さが戻って来ました。
 昨夜から次第に風が強くなり、雪がちらつき始めました。天気予報でも、厳しい寒さが戻ってくると報じていました。


           うっすら雪に春の光 / 地に熱あり、雪溶ける    マウスを載せれば写真が変わります
 今朝、起き抜けは確かに寒かったです。でも、外を見ても、雪が積もっているわけでもなし。「大したことなかったなぁ」と思いました。
 その後、6時半頃から雪が頻りに降り始め、屋根の上などは見る見る白くなっていきました。雪はそれだけ。本堂の裏の苔の部分などは地面も白くなっていましたが、全体的には屋根などがうっすら白くなった程度でした。
 節分頃の寒さが、ちょっと遅れてやってきた感じでしょうか。最高気温は2.9度でした。一度寒さが弛んだ後の厳しい冷え込みは、ちょっと堪えました。
 でも、この寒さ、ボクは嫌いではありません。寒くて肩が凝るし、トイレは近くなるし・・・でも、凛とした感じが好きです。




       青   空   が   見   え   て   気   抜   け   す    春   の   雪         吉沢紀子






                 いい感じ! / ‘綿帽子’にならず     マウスを載せると写真が変わります
 雪が積もると、普段見慣れている景色も少し模様替えをして、ハッとするほど新鮮な姿を見せてくれることがあります。
 今朝は六阿弥陀巡りの日だったので、早朝からお勤めが忙しかったのですが、その合間に一瞥した随縁の庭が美しかったので、カメラを取りに行ってまで写真を撮りました。
 随縁の庭の砂紋を見るには、今日のようなほんのわずかな積雪が好都合です。
 「もう少し雪をかぶったほうがいいなぁ」というのは、お地蔵さんたち。この冬には、そんな雪の降る日がありませんでした。残念ですが、雪が降って喜ぶのは子供たちやカメラマンたち。ボクも、暇な日だったらいいですが・・・。


        群落になる日が待ち遠しい水仙 / 苔に春の色を見る マウスを載せれば写真が変わります
 待ちかねていた鐘楼周りの水仙が、数日前から咲き始めました。この場所に植えてから初めての開花です。
 これから日を追って花数が増えていくでしょう。鐘楼に昇ると、甘い香りに包まれるでしょうか? そこまではいかないまでも、早春の水仙、4月末の八重桜、梅雨頃の紫陽花と、鐘楼に行く楽しみが増えました。
 境内に何かを植える時は、必ず「盗られないだろうか?」ということを考えます。「花泥棒は罪にならない」などというのは勝手な理屈で、用意周到な、根こそぎ盗ってくような輩は十分な窃盗犯だと思います。
 鐘楼の近くに、今度また別の花の球根を植えます。盛夏に咲く鮮やかな花です・・・日当たりが良くない場所なので案じていますが。
 やはり、「盗られるかも」と案じていますが、まずは皆さんに楽しんでいただくことが先決。どうかお楽しみに!
 今日は光が当たっている苔の色を見て、浅い春の訪れを実感しました。光の色が違ってきていますね。これからはそう思う機会が増えるでしょう。
 まだまだ寒い日が続きますが、植物たちはもう動き始めましたよ!




      待   春   の   心   が   先   に   歩   き   を   り          稲畑汀子