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今朝は寒くなるという予報だったので覚悟をしていましたが、朝一番に蓮の鉢を見ても氷は張ってなく、それほど寒い感じもしませんでした。
本堂南側の回廊の木は、日差しがなければ冷え切って、靴下1枚で歩くと足が痛くなるほどですが、今日はポカポカして床暖のところを歩いているかのようでした。 擬宝珠の金具はピカピカ光っていました。ちょうど今、欠損している釘隠や笹金具などの金具を補充修理する計画を進めていて、それらが全部揃った時の偉容は容易に想像できました。 職員さんに「こっちがきれいですよ!」と呼ばれていくと、裏堂の釈迦三尊像がクッキリ! 床に差した光が堂内に満ちて、絵や天井などを照らしてくれていました。 「あんなところに龍が描いてありますよ!」と指を差すと、「前にもそう申し上げましたでしょ!!」と、いい加減に話を聞いていたことを叱られました。 新しいものにはない、古びたものの美しさを、今日の光は存分に味わわせて見せてくれました。 冬 の 水 一 枝 の 影 も 欺 か ず 中村草田男
このページで何回もご紹介しているように、彼岸花は花が咲き終わってから葉が出てきます。木々たちが葉を落として地面の日当たりが良くなった頃に精一杯葉を伸ばし、春になって他の植物が葉を広げる頃、彼岸花の葉は枯れます。 彼岸花は、日の光の争奪戦には参加しなくてもよい季節に葉を広げます。それが戦略です。今日はそんな光景をまじまじと見せてもらった気がしました。 その横には、万両の実が散らばっていました。禽獣の仕業でしょう。鳥だとは断定できません。横の建物の二重屋根の一層目には、何かの糞が山となっています。大掃除の時に取り除いたのに、また小山になっています。鳥ではありません。おそらくはイタチです。この犯人もひょっとしたら・・・。 実がまだ熟し切らずに美味しくない時は、鳥も手を出しません。南天や千両の実も、これから一気になくなっていくでしょう。 こんな小さなことに生き物の息づかいを感じることができるのも、冬の散策の楽しみです。
真如堂から比叡山までは、直線距離にして7〜8キロでしょう。「あー、今日は雪だなぁ」などと、毎日のように比叡山を眺めては天気を知る目安にもしています。 去年、桧の枝打ちをしてからは比叡山がよく見えるようになり、拝観者の方々にも、「あれが比叡山です」とご説明させていただいています。 もちろん、比叡山は天台宗の総本山延暦寺のある山ですが、明日1月26日は、伝教大師最澄さまが比叡山延暦寺で天台宗を開くことを朝廷から正式に許可さた日(806年)、天台宗立教開宗の日に当たります。 さて、開花を待ちわびている水仙も、今日は陽光を満身に受けていました。あと1週間ほどで咲いてくれるでしょう。一昨年に植えたのですから、3年越しです。 種を蒔いてすぐに咲く花もあれば、数十年掛かる木もあります。木を剪定する時でも、数年先を見越してしたりもします。植物との‘お付き合い’は短気ではできませんね。短気のボクでも出来るのは、イメージを湧かせて夢を描くからでしょう。さて、次は何しようかな!? しばらく寒さ厳しい日が続きます。もうすぐ立春! お風邪など召されないように、寒さを乗り切りましょう! 穴 あ ら ば 落 ち て 遊 ば ん 冬 日 向 中尾寿美子
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