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             このまま止まれ、コロコロ変わる冬の空     マウスを載せれば写真が変わります

 今朝は寒さも弛み、最低気温は今年になって一番高い4度。でも、最高気温は7.6度と、あまり上がりませんでした。
 少し青空が広がった時間もありましたが、灰色の雲が姿を消すことはありませんでした。
 境内に人影はほとんどありません。雨で土が流出するのを防ぐための土留めをするために、職員さんが地面を掘る姿が、静まりかえった境内で引き立っていました。
 1〜2月は、京都の観光客が一番少なくなる時期です。
 閑散期に人を呼び入れようと、今年も京都市観光協会が主催する「京の非公開寺院特別公開」が行われています。「初公開」や「27年ぶり公開」というところもあれば、‘いつものメンバー’あり、大河ドラマに因んだ寺ありと様々。「京都には何回も来ている」という方でも、「行ってみたい」と思われるところもあるかも知れません。
 真如堂はそんなこととはまったく関係がなく、いつものように静まりかえっています。


  予定では、冬は水仙、夏は紫陽花、秋に紅葉 / 冬日さす苔の上  マウスを載せれば写真が変わります
 最近、‘本職’が忙しくて‘植木屋’が出来ず、力がありあまって体がウズウズしています。
 仕方ないので、わずかな時間を見つけては境内をうろついて、「あそこはこうしたほうがいいなぁ」「あの場所にもみじの苗木を植えようかなぁ」と次なる策を練っています。
 明日からは本職の植木屋さんが入って、寒肥と土壌改良の作業をしてくれます。どの程度効果があるのか、はっきりとはわかりませんが、休眠期の木々への‘ボーナス’です。
 冬は落葉樹の植え付けなども好期です。弱っているもみじの木の側に、代替え木を植えてもらうことも予定しています。枯れかかっている枝や木の観察も必要です。
 冬も何かと作業の多いシーズンです。「ここは春になったらどうなるかなぁ」とイメージを膨らませるのも楽しみです。





       そ  よ  ぐ  も  の  光  と  な  り  ぬ  日  脚  伸  ぶ          小松崎爽青






            冬袴、百態? / 朽ち落ちるか枯れ石蕗    マウスを載せると写真が変わります
 光は枯れたものまで美しく見せてくれるのが得意です。切り忘れて‘タンポポ状’になった藤袴の花粕に光が当たり、とてもきれいでした。
 散りそびれた枯葉に日が差して、予期せぬ美しさにハッとさせられることもあります。それは、‘滅びゆく美しさ’というよりも、美の循環の中の一点であるようにも思えます。
 「他にも面白いものはないかなぁ」と見回していたら、やはり切り忘れた石蕗が、ちょっと不気味な姿を見せていました。
 咲き終えて朽ち始めた垂れ下がる花を、しっかりと支えている太い茎。「放っておいたら、どんなふうになっていくのだろう」と興味を持ちましたが、美しくなっていくことは決してないので、近いうちに切ろうと思います。
 木々や花は、自らの営みの一環として成長し花を咲かせ枯れていくのに、そこに綺麗だの、枯れて見苦しいだのという‘評価’を付している人間。それも人間としての営みなのでしょうね。


           指折り数えて馬酔木まだ / 寒椿は真っ赤  マウスを載せれば写真が変わります
 春に向かっての動きも、境内にはたくさんあります。
 もうしばらくしたら、もみじなども春への動きを始めるでしょう。地表ではなく、まずは地面の下から。
 馬酔木の蕾はだんだん大きくなってきています。早いものは今月中に咲き始めるかも知れません。
 まだかまだかと待ちわびている水仙の開花までは、あと1週間ぐらい? 楽しみです!
 梅はもうそろそろ咲き始めてもいい頃でしょう。
 20日は大寒。暦の上では、節分までが一番寒い期間ですが、この先1ヶ月、北〜東日本では平年より気温が低く、西日本では平年並みの予報です。
 木々や花々の遅々とした変化を眺めながら、季節の移ろいを楽しむことと致しましょう。





      空  ば  か  り  見  て  ゐ  て   け  ふ  は  震  災  忌          松本康男