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1/1版
除夜の鐘を撞き終わって、2時間半ほど寝たらもう起きる時間。朝6時からは本堂で一年の最初の「修正会」のお勤めが始まります。 その年に最初に発する声で読経をする慣わしなので、集まって来た僧衆は黙礼のみ。境内で一番寒い本堂の中はおそらくマイナス2度ほど。1時間余の読経を終え、書院に場所を移してまた読経。それが終わって拝賀式。お屠蘇などをいただいて、ようやく‘普通に’話すことができます。 その後はお天気に恵まれて、気温は8度ほどまで上がりました。お目に掛かった方々は「おだやかなお正月ですね」「過ごしやすいですねぇ」と口々におっしゃいましたが、「一昨年は・・・」と、2年前の大晦日から元旦の大雪の話題になることも度々でした。
今日も本堂から帰る前の8時過ぎからお参りの方がいらっしゃり、何とかお屠蘇をしてお雑煮をいただいたものの、後はずっと参拝者の接待。結局お昼ご飯を食べたのは2時半頃でした。 お正月の墓参は多くが家族連れで人数が多く、玄関は時には‘満員御礼’状態。先の方が帰られるのを待ってようやく座っていただくことも度々でした。 また、「○○家は何日にお越しになる」というように、来られる日がほぼ決まっています。毎年同じ行動パターンを取っておられることが多いのでしょう。家族揃ってまずお墓にお参りされるという慣わしは、とてもいいことだと思います。 お墓の供花は、松竹梅をベースにしたものが多いですが、最近はそれにこだわらない鮮やかな色花も増えて来ました。お墓もにぎやかです。 本堂前の手水舎の手水鉢もにぎやかにしようと思って、大晦日に南天を差しました。南天の実は、今月半ば頃には全部鳥に食べられてしまいます。どうせ食べられるのなら、皆さんにお正月気分を味わっていただこうと、南天を差したわけです。 こっそり観察していると、何人もの方が写真を撮っておられました。演出は成功でした! こ の 間 逢 ひ し ば か り に 去 年 今 年 高浜年尾
11時45分から除夜の鐘を撞く予定でしたが、僧衆が早く集合したため、少し早めにつき始めました。結構アバウト? 僧衆の後は、希望される方に順次鐘を撞いていただきますが、鐘つき待ちの行列は、あっという間に本堂前の白砂付近にまで達しました。 108つを数えている僧が「はい、4〜5人で1撞きでお願いします」などと‘鐘つきチーム’を組んでいきます。ボクはカメラのシャッター係。「はい、カメラをお持ちの方、押してあげますよ」と、カメラを預かっては撮影していました。 ‘チーム’の人数は時には増え、時には減り。最後のほうになって希望者が減ってくると、カップルや1人でという‘サービス’もありました。カメラ係を買って出ると、「こんなサービスのいいお寺はない!」という声も・・・。スマホはシャッターチャンスがうまく計れず、苦労しました。 外国人もかなり多く、いろいろな言葉が飛び交ったり、明るい歓声の中にも厳粛な雰囲気もあって、大晦日の夜は更けていきました。 心の中の煩悩はもとより、社会の中に棲む‘魔’のようなものも退散できればいいと思った除夜の鐘でした。 寒 く な れ ば 篝 に も 立 ち 除 夜 の 鐘 星野立子 |