12/27版
朝よりも昼、昼よりも夕方のほうがいいお天気になりました。
一段落した落ち葉掃除ですが、強い風が吹いたりすると、物陰に隠れていた枯葉が一気に姿を見せたり、杉や桧の葉が落ちてきたりするので、これからの真冬でもブロアのエンジンの音は時おり聞こえて来ます。 お昼前、ヘリコプターでも飛行機でもないエンジン音が聞こえて来たので、空を見上げると、飛行船が飛んでいました。スヌーピーがデザインされた生保会社の飛行船です。飛行船は珍しくもないので、「あっ、飛行船だ」で終わってしまいました。 昼下がり、地を這うような低い鐘の音が聞こえて来ました。その音から、知恩院の鐘の音であることはすぐにわかりました。年の瀬のこの時期なら、除夜の鐘の試し撞きをしているのに違いありません。 終い弘法、終い天神、本願寺のすす払い、そして知恩院の鐘の試し撞き、京都の年の瀬の代表的な歳時記です。 数 へ 日 や 猫 と 目 の 合 ふ 帰 り 道 植村公女
大晦日の11時45分頃からまず僧侶が撞き、その後はお越しになった方々に撞いていただきます。でも、おそらく400人以上の方が来られるので、108つに収めるために4〜5人組で1打になります。 京都大学などが近くて、留学生などが多い土地柄なので、外国人も多数来られ、英語はもちろんフランス語やイタリア語?なども飛び交っています。ただ、概して体格がよく、力任せに撞く人が多いので、鐘が心配です。力で撞いてもいい音は出ないのですが・・・。 真如堂の梵鐘は、宝暦9年(1759)造営で、直径約171センチ、高さ約センチ285cm、重さが約3.1トンあります。 写真の中央に小さな穴が2つ開いているのがおわかりになりますか? 第2次世界対戦の最中の昭和17年、軍需品の原料として金属回収が始まり、この鐘も供出されて香川県の三菱直島精錬所に運ばれました。この穴は、その時に含有品位決定試料採取のため開けられたボーリングの跡です。 当時、直島精錬所に集められた梵鐘は、大小あわせて1万個以上あったといいます。そのうち、潰されずに済んだのは370〜380個。真如堂の鐘もそのうちの1つでした。 鐘は昭和21年に帰山し、今も朝夕6時に時を知らせています。
鐘楼脇へ「水仙は咲いたかな?」と見に行きましたが、あと一息。開花は新年早々になりそうです。 椿や山茶花も咲いています。自坊では、十月桜がよく咲いています。こんな寒い中でも、いろいろな花が咲いているものです。 吉祥蘭の花も、先日来、よく咲いています。自坊の名にちなんで人からいただいたものを、その旺盛な繁殖力からグランドカバーにも最適なので、境内のあちこちに移植しました。 植えている家に吉事がある時、この花が開くという俗信があるそうです。うれしい俗信です。 今年も残すところあと4日。皆さんにとって、今年はどんな年でしたでしょうか? うれしいこともあれば辛いこともあります。悲しいこともあったかも知れません。でも、こうして年末を迎えることができ、また新しい年に踏み出そうとしています。 来たるべき年が、吉祥蘭がいっぱい咲くような佳き年になることを祈念して、今年最後の更新とさせていただきます。来年もまたお越しくださいますようお待ちしています。 来 る 年 の 夢 書 き 入 れ て 日 記 果 つ 高橋悦男
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