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            冬晴れの空に映える枝 / 人影のない境内  マウスを載せれば写真が変わります

 お昼頃までは天気もよかったのですが、だんだん雲が多くなってきました。冬の京都は青空が長続きしません。冬の日差しは、それ以外の季節よりもうんとうれしいのですが・・・。
 各地で今朝が今年最低の気温を記録したとテレビで報じられていましたが、京都はそれほどでもありませんでした。
 朝の暗闇の中、屋外の蓮鉢に指を入れてみましたが凍っていなかったので、大した冷え込みではないと思いました。
 昼間も最高気温は10度に達しなかったものの、寒さはそれほど厳しくありませんでした。
 木々が葉を落とし、木の形が顕わになった境内に、人影はほとんどありません。紅葉期の人混みを想像することすらできません。
 静かで落ち着く冬の境内は、‘ツリー・ウォッチング’をしながらのんびり散策するのにはもってこいです。


           最後の百万葉 / 境内を俯瞰する露仏      マウスを載せれば写真が変わります
 最後まで残っていた本堂裏の‘敷き紅葉’も、いよいよ今日、片付けられました。昨日まで、「これがなくなったら見るところがなくなりますし・・・」と片付けを渋っている職員さんもいた、最後の‘見せ場’です。
 華やかだった紅葉期の‘置き土産’の紅い色がなくなったら、境内はまた一歩モノトーンの世界に近づいて行きます。それもまたいいものです。
 本堂南側の阿弥陀如来の露仏のところに久しぶりに行ってみました。「露仏はここに座して、景色が移り変わるさま、通り過ぎる人たちを、1年中見てござるのだなぁ」と思いました。露仏の後ろから見るだけで、俗世を少し客観的に見られそうなのが不思議でした。





    土   い   ま   だ   木   の   葉   の   か   た   ち   山   眠   る        正木ゆう子






         お次は水仙の番! / 散りばめたる山茶花の花びら マウスを載せると写真が変わります
 静かになった境内での楽しみの一つは、「何かないかなぁ〜」と、意外な発見を求め歩くことです。「あの花はもう咲いているだろうか?」とあらかじめ見当を付けて行ってみることもありますし、たまたま意外なものに出会うこともあります。
 先日来、目星を付けていたのは、鐘楼周りの水仙。去年、大量に植えましたが、結局今年は一輪も咲きませんでした。球根は成熟しているように見えたのですが、植え替えのリスクがあったのでしょうか?
 そして、今年。先週探してみたところ、数株が花芽を持っていました。今日見ると、その数はずっと増えていました。今年は数十株は咲いてくれるに違いありません。職員さんたちが頑張ってくれた甲斐がありました。
 数年後の鐘楼は、夏は紫陽花、冬は水仙に囲まれるでしょう。水仙の香りが漂ってくるのが楽しみです。
 境内では、椿や山茶花、寒椿も咲いています。南天や千両の実は、今を盛りに赤く輝いています。いろいろなものが隠れている師走の境内、明日は冬至です。




      仰   ぎ   み   て   冬   至   近   づ   く   木   の   梢          阿部ひろし