11/23版
今日は朝9時頃まで雨。その後もどんよりとしたお天気で、時おり時雨れることもありました。夕方4時頃にほんの一瞬だけ日が差したように思いましたが、結局、夕方まで晴れることはありませんでした。
本堂の前辺りは早々と終わっている木もありますし、本当に綺麗な色になる前に茶色くなっている木もあります。「5年に1度」「3年に1度」くらいに訂正した方がいいかも知れません。 例年は綺麗な木が今年はそうでもなかったり、早々と葉を落としてしまったりして、「どうしたんだろう・・・調子が悪いのかなぁ」と我が子のように案じてしまいます。 寒中からずっと世話を続け、その‘総集編’としての紅葉ですから、‘健康に’、きれいに色付いて欲しいのですが、それぞれの木に‘体調’があって、良い結果ばかりは得られません。世代交代の新しい木を側に植える計画をする必要もあったりして、単純に紅葉を楽しめません。 ただ、日頃見ている私たちの紅葉の評価は辛口ですが、初めてお越しになった方にはずいぶん綺麗に見えると思います。 今日でも、日さえ差していれば、本堂の裏などはずいぶん綺麗だったでしょう。紅葉の見どころは、本堂裏に移りつつあります。 歩 き ま は れ ば た ま し ひ 揺 ら ぐ 紅 葉 山 本郷をさむ
この一角のもみじは種類が違い、幹も太くて葉も大きく、紅葉の終わり頃に黄色く色付きます。夕方に見上げる光景などは、息を呑むほど綺麗なことも珍しくありません。 そんな木々の見頃がもう間もなくやって来そうです。今年の紅葉は1週間から10日ほど早い‘韋駄天紅葉’です(実際にはそんな言い方はありません)。 今年の気候がすべてのもみじの紅葉にとって良いわけではなかったというのは、人の世に近いものを感じます。彼方を立てれば此方が立たず、満遍なく平等ということは希有なことなのかも知れません。 上っ面だけの単純なものではない。そこにこそ、自然の奥深さ、妙味があるのかも知れません。
たくさんの人が見ている中、ロープを越えてまで立ち入って写真を撮ろうという人は、さすがに少なくなりました。ことある度に注意をしなければいけないストレスもずいぶん減りました。 本当はロープも看板もないほうがいいに決まっています。でも、残念ながら、そうでもしないと境内が荒れるのを防げない、そんな時代になりました。 今日は本堂に缶詰状態。説明をしたり、拝観受付をしたり、落とし物の持ち主を探したりで、ほとんど写真を撮る時間がありませんでした。 ずっと曇天だったので、「きっと紅葉の色が綺麗に写っていないだろう」と思っていましたが、写真を見ると実物以上の発色。画像ソフトで彩度を落として、実際に近いように修正しました。最近のカメラは彩度を上げ気味に写す傾向があるのでしょうか? 雑誌の写真などは、現実離れした色にさらに加工されていますが・・・。 紅葉をご覧になるのなら、できれば今月中においでください。「12月もいいですよ!」と聞いて予定を立てられたかた、たぶん「ゴメンナサイ」です。トホホ。 音 も な く 紅 葉 散 り ゐ る 苔 筵 杉山青風
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