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                    枝先が色付いて来た木々      マウスを載せれば写真が変わります

 秋晴れの日が続いています。家の中にいるのがもったいほどの爽やかな快晴です。
 朝晩はめっきり涼しくなって、暖房をいれようかと思うほどですが、昼間は快適! 境内のベンチに寝転がっている人を何人か見ました。
 京都の街では、修学旅行生の姿を多く見かけます。今が秋の紅葉シーズンの盛りなのでしょう。お天気に恵まれて、よかったですねぇ。
 境内を訪れる人はまださほど多くありませんが、散策をする人、拝観される人、ベンチに座っている人など、‘絶えず誰かがおられる’状態になってきました。
 そりゃぁ、そうです。ボクも時間があればどこかの高原にでもウォーキングに行きたい気分です。そういえば、今日の「大」の火床は白い点々だらけ。たくさんの人が登っておられました。


                天高く木々色付く        マウスを載せれば写真が変わります
 この写真をお見せするのを躊躇しました。「こんなに紅葉しているの!」と焦る人がきっとおられると思います。
 こんなに紅葉している木もあります。でも、全体ではまだまだですから、どうか落ち着いてくださいね。
 ‘表’写真は、百日紅と花の木などの紅葉です。‘裏’写真は別の角度から撮ったもので、花の木です。秋空に映える紅葉と塔。素晴らしいでしょう!?
 百日紅の紅葉が美しいことをご存じない方も多いですが、もみじなどに先駆けて、とても鮮やかに紅葉します。
 毎朝、掃除をしていると、今、どの木が葉を落としているかがよくわかります。百日紅も小さな赤や黄色の葉が落ち始めたので、「きっときれいに違いない」と木を見渡せる場所に行ってみたら的中! こんな景色でした。ここ数日でこんなに色付きました。
 塔の回りでは、かえでの葉がたくさん落ちています。房状になった櫨の実も落ちています。銀杏も毎日いっぱい落ちています。
 もみじもすこしずつ色付いてきています。
 京都市観光協会から色付き状況のアンケートが来るようになり、「青葉」「色付き始め」のどちらに○印を付けようかと思いましたが、結局「青葉」にしました。「青葉」と「色付き始め」の間にしたかったのですが・・・。
 今年のもみじは、葉っぱが元気です。順調に冷え込めば、きっと綺麗ですよ!




    爽   や   か   と   い   ふ    約   束   の   や   う   な   晴       稲畑汀子






   重そうな花粉のお茶の木 / お茶の花に色を付けたような炉開き  マウスを載せると写真が変わります
 紅葉の話題がメインになっていますが、本堂の裏ではお茶の木の花が静かに、でも、結構たくさん咲いています。
 いつ、誰が植えたのかはわかりませんが、番茶などを自給するためだったに違いありません。
 今年初夏、近くの禅寺の僧堂の雲水たちがこの新芽を摘ませて欲しいといって、10人ほどでやってきました。でも、誰も番茶を作った経験もなく、結局、真如堂の貫主が作り方を教えました。後から少し持ってきてくださいましたが、乾燥させただけで煎ってなく、果たしてその後どうなったか・・・。
 白い花弁に黄色い花粉が重たそうに付いた花は、控え目にかわいいものです。
 その花弁をピンクにしたのが、「炉開き」。お茶の木はそもそもツバキ属ですが、炉開きは雪椿とお茶の自然交配雑種。椿似かな? お茶の木似か?
 自己主張するでもなく、ひっそり咲く奥ゆかしさに惹かれます。



        白く清楚な秋明菊 / 秋暮にわびしき酔芙蓉     マウスを載せれば写真が変わります
 茶所横の去来句碑の横には、秋明菊や石蕗の花が咲いています。秋明菊の清楚な白さにはハッとさせられます。
 茶所の前にはヘブンリーブルーの代役、菊までの‘つなぎ’のコスモス。長い間、とてもきれいに咲いてくれていて、多くの方が写真を撮っていかれます。やれやれです。
 今年、株数を増やした酔芙蓉は、毎日たくさんの花が咲いてくれています。でも、さすがにだんだん小輪になって、存在感が次第に薄れてきました。
 その姿を見ていると、「季節が移ろったんだなぁ」ということをしみじみ思います。朝は白く、夕方に赤くなる頃が、この花の絶頂期だった気がします。すっかり早く暮れるようになったお日様越しの酔芙蓉は、少しわびしげでもありました。
 さて、明日は十三夜。「十三夜に曇りなし」の言葉通り、お月見が出来そうです。その後は雨が降って、また季節が進みます。次の更新は、もう11月です。
 せっかくの秋、皆さん、存分にお楽しみください。お風邪など召されませんように。




    暮    の    秋      手    に    一    対    の    泪    壺          山田弘子