10/20版
爽やかな秋晴れの日でした。最低気温は10.3度、最高気温は23.3度。驚くほど秋が加速しています。あの暑かった日は何処へ?
訪れた人は、「あっ! あそこが紅い!」と色が変わってきたところを探しておられます。そんな光景を見ると、新緑は何だか損をしているような気がしてきます。 でも、緑の中に紅い葉があるからこそ美しいのです。紅ばかりでは‘満腹’状態になってしまうのではないでしょうか? 今の境内は、「この葉が紅葉するなんて考えられない」というほど緑が綺麗なもみじもあれば、枝先から次第に黄色くなってきているもみじもあります。木にもそれぞれ個性があって、その違いが景色に深みを増しています。 1年を通じて木々の営みを見て来ました。その間には、施肥や害虫防除などのいろいろな世話をしたり、木の状態に一喜一憂したり、そして今は枯れ枝を除去する作業を重ねたりもしてきました。 「どうか綺麗に紅葉しておくれ」という思いは強いですが、こればかりはわかりません。日々移り変わっていく木々の様子を、人一倍満喫しています。 秋 晴 の 何 処 か に 杖 を 忘 れ け り 松本たかし
早朝に人目を避けるようにその実を拾いに来ているご婦人がおられます。自分で食べるには多すぎる量なのですが、一体どうされるのか聞いてみたくなります。 昨年まではほぼ毎日拾いに来ていた近所のお寿司屋さんが、今年は一度も来られません。体でも悪いのかと心配です。「売り物の茶碗蒸しに使うのなら、一度ぐらい御礼に持ってきたらどうなんだ」と、言っていたのですが。 千両の実が色付き始めました。まだ朱くまでなっていませんが、日々色付いて、12月には鮮やかな色を見せてくれるでしょう。そして、1月にはその色に魅せられた鳥たちによって、一粒残らずなくなってしまいます。1年を通して、植物や禽獣の営みが密接に結びついているのを感じます。
酔芙蓉の葉は、フタトガリコヤガという蛾の幼虫に食われて穴だらけ。すごい食欲で、あっという間に葉がレース状になってしまいます。毎日見つけては駆除するのですが、切りがありません。この戦いも、あとわずかです。 石蕗、貴船菊なども、わずかながら咲いていて、秋の風情を盛り立てています。 ヘブンリーブルーの代わりに植えたコスモスは、思ったよりも長い間咲き続けていて、たくさんの人がカメラに納めて行かれます。思わぬヒットでした! その隣では、2株だけ残した朝顔が、毎日小さな花を咲かせています。ヘブンの種のはずなのですが、花の色も違いますし、お昼には萎んでいますから、従来種の朝顔なのでしょうか? それにしては10月になってもまだ咲いています。 明日は、真如堂の鎮守社の日吉神社の祭礼。御輿が本堂前に参来し、真如堂の僧衆が読経する中、神主さんたちが焼香をされます(YouTubuで、‘真如堂’‘日吉神社’とクロス検索すれば動画が見られます)。 お寺へ御輿が来たり、坊さんと神主が一緒に参拝するなんて、外国人には理解できないでしょうね。でも、仏教と神道が分けられたのは明治の神仏分離から。それまではもっと一体化していたのです。 明日はお天気。秋の佳き日となりますように。 秋 草 を 活 け か へ て ま た 秋 草 を 山口青邨
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